「ささいなミスひとつで、またやってしまった、本当にだめだなと自分を追い立てる」「できないことがあると、ずっと自分を責めてしまう」「人と比べてしまって、自分が嫌いになる」
このような悩みに、気づかないうちに疲れ切っていませんか。
はじめに、はっきりさせておきたいことがあります。 自分を責めやすい人は、メンタルがもろいわけでも、人柄に難があるわけでもありません。 起きたことをごまかさず点検できる誠実さを持っているぶん、その点検の矢印が自分へ向くと、必要以上に鋭くなってしまうのです。
記事では、自己嫌悪とはどんな状態なのか、反省との違い、陥る原因、自分を責める悪循環の仕組み、そして少しずつ抜け出す7つの方法を順番に整理します。 つらさが続くときの相談先と受診の目安も、後半でまとめました。
自己嫌悪とはどんな状態か
自己嫌悪は、自分の発言や振る舞い、あるいは性格まるごとに対して、強い後悔や嫌気がこみ上げてくる状態です。 「どうしてあんな態度を」「やっぱり自分は」といった内側の声が、頭の中で何度も鳴り続けます。
わき上がった気持ちが引かず、同じ場所を何周も巡ってしまうことも起こります。 こうした感覚そのものは、どんな人にも一時的に訪れるものです。 気をつけたいのは、それが長期間とどまったり、周期的にぶり返したりして、暮らしの一部として根づいてしまう段階です。
「激しい自己嫌悪」が続くと心がすり減る
心身が消耗しているときや気分が沈んでいるときほど、自分責めは勢いを増します。 「くたびれた」「自分のことがどうしても好きになれない」という思いが居座ると、仕事に向かう集中力も、人と会おうとする元気も目減りしていきます。
放っておくと、気分の低下や寝つきの悪さ、うつに近い状態へと広がる場合もあります。 原因のはっきりしない重さが続くときは、すっきりしない気持ちの原因とモヤモヤする時の対処法もあわせて読んでみてください。
反省とは、似ているようで違う
自己嫌悪としばしば取り違えられるのが「反省」です。 反省とは、この先に生かす目的で、自分がとった行動をふり返る営みを指します。
対して自己嫌悪は、やったことではなく自分という存在まるごとを否定してしまう点で、根本から違います。 「今の言葉は強すぎた、次は選び方を工夫しよう」と切り替えるのが反省の側です。 「あんな言い方をした自分はもう救いようがない」と決めつけてしまうのが自己嫌悪の側です。
まったく同じ場面でも、振る舞いを点検するのか、自分の人となりごと有罪にするのかで、心が背負う重さはがらりと変わります。 振る舞いは翌日から手直しできますが、存在を否定してもやり直す入り口は開かず、しんどさばかりが手元に積み上がります。
自己嫌悪に陥る原因
「なぜ自分ばかりこんなに責めてしまうのか」と苦しむ人はたくさんいます。 背景では、たいてい複数の要因がからみ合っています。 自分に当てはまりそうなものを探すつもりで見ていってください。
理想が高く、現実とのギャップに苦しむ
「本来こうあるべき」という到達点を高く置いていると、今の自分がそこへ届かないたびに差を見せつけられます。 教育心理学の調査によると、理想と現実の差を「自分の能力が足りないせい」と受け取る人ほど、自己嫌悪が起こりやすいと示されています(出典:佐藤有耕「大学生の自己嫌悪感を高める自己肯定のあり方」教育心理学研究、2001年)。
高い目標を描けること自体は、伸びようとする気持ちの表れです。 ただし、その理想が高いほど、自分に突きつける水準も引き上げられてしまいます。 現実との差は自分を叩く道具ではなく、これから少しずつ埋めていける伸びしろとしてとらえ直してみましょう。
自己肯定感が低く、失敗を自分と結びつける
自分に価値があると思えていないと、小さなつまずき一つでも「やっぱり自分は使えない」とすぐ結論づけてしまいます。 巡り合わせや運の要素も大きい出来事まで、すべて自分の落ち度として一人で背負い込んでしまうのです。
自分を好きになれない根っこがある場合は、自分が嫌い・自己肯定感が低い原因と克服方法も手がかりになります。
育ってきた家庭での関わりが残っている
幼少期に責める言葉を繰り返し受けたり、失敗のたびに叱られたりして育つと、「自分を責めるのが当たり前」という感覚が身についてしまうことがあります。 いま心の中で鳴っている自分責めの声が、実は昔誰かから向けられた言葉の再生だった、というのもよくある話です。
かつて浴びせられた言葉と、現在の自分とを別のものとして区別することが、立て直しのスタートになります。 家庭の影響を掘り下げたい方は、アダルトチルドレンとカウンセリングの効果も参考にしてみてください。
完璧主義で、小さなミスも許せない
「ミスは許されない」という気持ちが強すぎると、取るに足らない失敗すら流せなくなります。 まわりには大目に見られるのに、自分にだけは合格か不合格かの二択で評価を下してしまう人もいます。
誰かの華やかな近況がSNSで流れてくる今の時代は、比べることで引け目が生まれ、自己嫌悪がいっそう濃くなることもあります。 自分へ向けたその厳しさが、やがて嫌悪へと姿を変えていきます。
こうした傾向はどれも、頑張りが不足し?いるから生じるものではありません。 むしろ、ここまで物事へ本気で取り組んできたことの裏返しといえます。
自分を責める悪循環の仕組み
自己嫌悪がやっかいなのは、それ自体が次の自己嫌悪を呼び込む悪循環を生むからです。 どんな流れで苦しさが深まるのか、順番に見ていきます。
何かにつまずいて自分を責めると、「自分は無力だ」という感覚から気分が下がりやすくなります。 気分が下がると動く元気がしぼみ、やるべきことが手につかなくなることも。 そして「何もできていない自分」を見て、さらに新たな自分責めが上乗せされていくのです。
責める気持ちが、次に責めるための材料をみずから生み出し、抜けにくい輪っかができあがります。 いったんこの輪に入り込むと、責めるたびに心の燃料が減っていきます。
肝心なのは、根性でこじ開けることではありません。 「これは仕組みが勝手に回っているだけだ」と気づいて、どこかで回転を止めることです。 「いくら責めても現実は動かない」と一拍おくだけでも、輪の勢いはゆるみ出します。 自分をなじる行為と、事態を前へ進める行為は、まったく別の作業だと頭の隅に置いておいてください。
自己嫌悪から抜け出す7つの方法
自己嫌悪は、受け止め方をほんの少し調整するだけで、着実に和らいでいきます。 一度に全部を取り入れる必要はありません。 取りかかれそうなものから、順番に試してみてください。
1|「今、責めているな」と気づく
最初のステップは、今まさに自分を責めているところだと気づくことです。 自分責めの声は日常に溶け込みすぎていて、渦中にいると自覚しづらいものです。
「お、また始まったな」と頭の中で中継してみるだけで、その声との間にわずかな隙間が生まれます。 気づけた時点で、あなたはもうその声に完全にのみ込まれてはいません。
2|事実と思い込みを切り分ける
「自分はだめな人間だ」は解釈にすぎず、「あのとき適切な言葉が出せなかった」が実際の出来事です。 起きた事実だけを抜き出すと、手直しすべきは振る舞いであって、自分の存在ではないと見えてきます。
厚生労働省のこころの健康科学研究事業がまとめた認知行動療法のマニュアルでは、出来事のときに瞬間的にうかぶ考えやイメージを「自動思考」と呼び、それに気づいて働きかけることが勧められています(うつ病の認知療法・認知行動療法(治療者用マニュアル))。「自分はだめだ」という考えも、事実そのものではなく、今よぎった一つの自動思考として少し距離をとって眺めてみてください。
3|親しい友人にかける言葉を、自分にも向ける
親しい相手が同じミスをしても、「あなたは救いようがない」なんて言わないはずです。 それなのに、相手が自分になったとたん、平気できつい言葉を浴びせてしまいます。
友人になら伝えるであろう「そんなの誰にでもあることだよ」を、自分自身にもそのまま渡してあげてください。こうした姿勢は、自分への思いやりを意味するセルフコンパッションと呼ばれます。アメリカのテキサス大学の心理学者クリスティン・ネフ博士が提唱した概念で、自分への優しさ、誰にでも失敗はあるという共通の人間性、今の状態を客観的に見るマインドフルネスの3つの要素からなるとされています(Neff, K. D. (2003). The development and validation of a scale to measure self-compassion. Self and Identity)。
4|完璧を手放し、できた部分に目を向ける
一度もしくじらない人など、この世に存在しません。 「7割できていれば合格」と自分の基準を引き下げるだけで、自分を責める回数はおのずと減っていきます。
達成できなかった3割ではなく、こなせた7割のほうへ目を向けてみてください。 しくじりを受け流せるようになると、他人にも自分にも肩の力が抜けた態度で接せるようになります。
5|まず体を休ませる
疲労がたまっているときほど、自分責めのボリュームは上がりがち。ま 心にゆとりがないと、取るに足らないことでも自分を責めてしまうからです。
十分に眠って体を回復させるだけで、責める声のトーンが下がることは少なくありません。 「性格や考え方の問題」だと思い込んでいたものが、実は睡眠不足だっただけ、というケースもよくあります。
6|責める時間に区切りをつける
どうにも止まらないときは、「今日の自分責めは5分まで」と、前もって持ち時間を決めてしまう手があります。 延々と引きずるより、時間の枠をきっぱり設けたほうが、かえって心は軽くなります。
決めた時間が来たら、「今日はもう十分責めた」と自分に言い聞かせて打ち切ってください。 どれだけ責め続けても、答えにたどり着かないことがほとんどだからです。
7|自分を責める癖を、誰かと一緒にほどく
自分責めのクセは、長い付き合いになっているぶん、自分だけではなかなか見つけられません。 「実はこういうことがあって落ち込んでいて」と誰かに打ち明けるだけでも、頭の中が整理され、考えすぎていたと気づける瞬間があります。
相手からもらった一言が新しい角度をくれると、ぐるぐる回るループから外へ出やすくなります。 否定する癖そのものと向き合いたい方は、自己否定をやめて自己肯定感を取り戻す方法も役に立ちます。
つらいときは一人で抱えないで|相談できる場所
いくつも工夫しても自己嫌悪の底から出られず苦しいときは、ひとりで抱えて頑張り続けないでください。 自分責めが強いほど、そして抱え込むほどに、出口はかえって見えづらくなります。
相談先は状態に合わせて選べます。 まず気持ちを整理したいときはカウンセリング、気分の落ち込みや不眠が続くときは医療機関、費用をかけたくないときは公的な窓口、という分け方が目安になります。
まずは気持ちを整理したいとき
「そろそろ自分責めから降りたい」と思ったときは、自宅から利用できるオンラインカウンセリングが使いやすい入り口になります。 病を治療する場というより、絡まった気持ちを専門家と一緒に解いて、心の重荷を軽くしていく場だと考えてみてください。 どんなことを話すのか不安な方は、カウンセリングで話すことや流れ、うまく話せない時の対処法に先に目を通しておくと安心です。
気分の落ち込みや不眠が続くとき
気持ちを整えるだけでは追いつかないほど、気分の落ち込みや眠れない状態が長引くときは、心療内科や精神科の受診を考えてください。 なかでも「消えてしまいたい」と思うほど追い込まれているなら、我慢し続けるのは避けてほしいところです。 心と体が限界に近いときのサインは、精神的ストレスが限界を超えるサインと解消法にまとめています。
無料で話を聞いてもらいたいとき
お金の負担なく話を聞いてもらいたいときは、公的な窓口という手段もあります。 電話で無料相談できる窓口として、厚生労働省が案内する「こころの健康相談統一ダイヤル」があります。 働く人向けには、厚生労働省のポータルサイト「こころの耳」から、悩みの種類に合わせた窓口をたどれます。
公的窓口
自分を責める癖に寄り添う|オンラインカウンセリング「Kimochi」
「自分を責めるのを、そろそろやめたい」 そんなときに頼りやすいのが、オンラインで相談できるKimochiです。 Kimochiでは国家資格を持ったカウンセラーが、悩みの整理まで丁寧に寄り添います。
※Kimochiは18歳以上の方を対象としたサービスです。未成年の方がご利用になる場合は、保護者の方の同意が必要です。もし今、つらい気持ちを一人で抱えているなら、上記でご紹介した相談窓口や、身近な信頼できる大人にもぜひ話してみてくださいね。
オンラインカウンセリング「Kimochi」の特徴
- ①国家資格を持つカウンセラーのみが在籍
Kimochiには、国家資格『公認心理師』を持つカウンセラーのみが在籍しています。資格や経験を持つ専門家が、気分の重さの背景にある気持ちを丁寧に整理する手伝いをします。
- ②完全オンラインで匿名・顔出しなしOK
自宅にいながらビデオ・チャットで相談できるため、人目を気にせず、安心して利用できます。
- ③ライフスタイルに合わせて選べる3つのプラン
月1回30分の利用から、月4回60分でしっかり相談できるプランまで、自分のペースに合った形を選べます。初月割引もあるため、まずは試してみたいという方にもハードルが低くなっています。
- ④24時間予約可能・ビデオもチャットも対応
仕事や家事の合間でも予約しやすく、声を出して話すのが難しいときはチャットでの相談も可能です。
自分を責めてしまう気持ちは、うまく言えないまま話し出しても問題ありません。 言葉を探しながら、一緒に少しずつほどいていけます。
もし体調にはっきり影響が出ているときは、医療機関への相談を先に考えてください。
よくある質問(FAQ)
Q1|自己嫌悪と反省は、どう違うのですか?
反省は、次へ活かすために自分の行動を見直す作業で、前進のエネルギーになります。 対して自己嫌悪は、自分の存在まるごとを否定してしまうため、しんどさばかりが手元に残りがちです。 振る舞いを見直すのは大事ですが、人となりごと有罪にする必要はありません。
Q2|自己嫌悪に陥りやすいのは、どんな人ですか?
高い理想を掲げる人、自分に価値を見いだしにくい人、完璧さを追い求めすぎる人が陥りやすいとされています。 まじめで誠実な人ほど、自分にだけ採点が厳しくなりがちです。 短所ではなく、物事へ丁寧に向き合えている証拠でもあります。
Q3|自分を責めるのを、どうしてもやめられません
まず、責めている真っ最中の自分に気づくところから始めてみてください。 事実と思い込みを分け、友人にかけるようなやさしい言葉を自分にも向けてみましょう。 一度でうまくいかなくても、くり返すうちに少しずつ楽になっていきます。
Q4|激しい自己嫌悪は病気なのでしょうか?
自己嫌悪そのものは、誰にでも起こりうる感情です。 ただし、気分の落ち込みや眠れなさが長く続く場合は、心の不調が背景にあることもあります。 病気かどうかを見分けられるのは医師なので、つらさが続くときは医療機関に相談してください。
Q5|カウンセリングでは何を話せばいいですか?
話す内容がまとまっていなくても大丈夫です。 「自分を責めてばかりでつらい」という状態からでも、カウンセラーが一緒に整理していきます。 話すうちに、責めていた本当の理由が見えてくることがあります。
Q6|オンラインでも自己嫌悪の悩みを相談できますか?
はい、直接会わなくても問題なく相談できます。 Kimochiは自宅にいながら匿名で使え、24時間いつでも予約を入れられるため、時間の取りにくいときでも始めやすい形です。 自分責めで身動きが取れないときほど、その手軽さが支えになります。
まとめ
自己嫌悪が湧いてくるのは、あなたの人柄に足りない部分があるせいではありません。 掲げた理想の高さ、うまく育たなかった自己肯定感、過ごしてきた家庭、満点にこだわる思考。 こうした複数の要素が、偶然いっぺんに重なり合っているだけです。 だからこそ責める相手は、自分自身ではなく、重なってしまった要素のほうへ向けてみましょう。
自己嫌悪がしんどいのは、責めるほどに気力を吸われ、その消耗がまた次の自分責めを生む輪ができるからです。 最初の一歩は、その輪の存在に気づいて、回転を止めることです。 責めている自分に気づく、事実と解釈を分ける、友人にかけるはずの言葉を自分にも向ける。 こうした小さな習慣の積み重ねが、責める声のボリュームを少しずつ絞ってくれます。
気分の落ち込みが長引くとき、あるいは「消えてしまいたい」といった考えが頭をよぎるときは、迷わず医療機関を頼ってください。 頭の中を落ち着いて整えたいときには、カウンセリングという道も残されています。 自分を責めてしまうその自分を、これからは少しずついたわってあげてください。 今日うまくいかず責めてしまっても、明日また穏やかにやり直せれば、それで十分です。 考え方の癖をほどいてみたくなったら、Kimochiのカウンセリングをそっと頼ってみてください。