「どうせ自分なんてと、頭の中で何度もつぶやいてしまう」「 人のSNSや成果を見ては、勝手に自分と比べて落ち込む」「ほめられても、お世辞じゃないかと素直に受け取れない」
こうした反応がくり返されると、自分に疲れてしまうかもしれません。
ですが、自己肯定感が低いのは、性格が悪いからでも、頑張りが足りないからでもありません。 生まれ育った家庭やこれまで重ねてきた経験を通じて、時間をかけて身についてきた考え方のクセです。 言い換えれば、後からつくられたものだからこそ、後から育て直していけます。
記事では、自己肯定感とは何か、低い人によくある特徴、低くなる原因、放っておくと起きること、そして今日から高めていく方法を、まとめて整理します。 つらさが続くときの相談先と受診の目安も、後半でまとめました。 原因も特徴も高め方も一度に確認できる総合版としてまとめました。
自己肯定感とは?高い状態と低い状態の違い
自己肯定感とは、良いところも足りないところも含めて、自分をそのまま「これでいい」と思える感覚のことです。 得意な面だけでなく、思うようにいかない面もひっくるめて受け入れられる、心のベースになる部分を指します。
心理学では、自己肯定感に近い言葉として自尊感情(self-esteem)が使われます(出典追記)。 似た言葉に自己効力感がありますが、こちらは「自分にはやり遂げる力がある」という能力への手応えを指し、成果と結びついた感覚です。 自己肯定感は成果の有無に関係なく自分を認められる感覚で、より根っこに近いものだと説明されています。
同じ出来事でも、自己肯定感の高さによって受け止め方は変わります。
- 高いとき:うまくいかなくても「今回は学びにしよう」と気持ちを立て直せて、まわりの評価に一喜一憂しにくい
- 低いとき:ちょっとしたつまずきを長く引きずり、他人からどう見られるかで自分の価値が大きくぶれる
重要なのは、この感覚が生まれつき固定されたものではなく、大人になってからでも少しずつ鍛え直せる点です。 今が低くても、あきらめる必要はありません。 まずは自分の状態に気づくことが、変化の出発点になります。 低い状態を責めるのではなく、「気づけた」こと自体を前向きに受け止めてみてください。
自己肯定感が低い人の特徴
自分に当てはまるか、次の項目を眺めてみてください。 診断ではなく、傾向を知るための手がかりです。
- 場面を問わず、つい誰かと自分を見比べて落ち込む
- ほめられると「たまたまです」と反射的に打ち消す
- 一度のミスを、何日も頭の中で再生してしまう
- 相手がどう思っているかが、いつも頭から離れない
- 気づくと「自分なんてどうせ」と心の中でつぶやいている
- 頼みごとを断れず、自分の予定をいつも最後に回す
- 満点でなければ取り組んだ意味がない、と感じてしまう
いくつも当てはまっても、落ち込む必要はありません。 性格の欠点ではなく、自己肯定感が育ちにくかったことの表れだからです。 まわりに気をつかいながら、まじめに生きてきた結果でもあります。 当てはまる数が多いほど駄目という話ではなく、あくまで自分を知る手がかりとして眺めてみてください。
自己否定の口ぐせが止まらないと感じる方は、自己否定をやめて自己肯定感を取り戻す方法もあわせて読んでみてください。
自己肯定感が低くなる原因
「どうしてこんなに自信が持てないのだろう」と悩む背景には、いくつかの原因が重なっていることがほとんどです。 自分に近いものを探しながら見ていってください。
育ってきた家庭での関わり
子どものころに責める言葉を繰り返し受けたり、成果を出したときだけほめられたりして育つと、「そのままの自分では認めてもらえない」という思い込みが定着しやすくなります。国立教育政策研究所の生徒指導リーフ(Leaf.18)でも、子どもの実際の行動と向き合わずに、うわべだけの称賛や機嫌をとるような接し方をするだけでは、自尊感情は高まりにくいと指摘されています。テストの点や順位といった結果ばかりを評価されると、「結果を出さないと認めてもらえない」という受け取り方につながりやすく、そのままの自分を肯定しにくくなるのです。
(出典追記)
大人になっても、親から向けられた評価のものさしを、無意識に自分へ当て続けてしまうことがあります。 自分を責める声の正体が、過去にかけられた言葉だった、という場合も少なくありません。 生育歴の影響を整理したい方は、アダルトチルドレンとは?特徴と相談先も参考になります。
他人と比べる習慣
点数や容姿、稼ぎなどを日常的に他人と並べられて育つと、「勝っていないと存在価値がない」という物差しが染みつきやすいです。 SNSでまわりの華やかな瞬間だけが流れてくると、その比べ癖はさらに強まることがあります。
本当は誰もが人に見せていない部分を抱えているのに、表側だけを比べてしまうのです。 比べる相手は、いつも自分より上に見える人になりがちで、いくら比べても自信は増えません。
失敗や挫折の経験
手ひどい失敗や強い否定の記憶が残ると、「次もまた駄目かもしれない」という警戒心が芽生え、自分を信じる気持ちがじわじわ目減りしていきます。 一度傷ついた自信は、すぐには戻りにくいものです。
ただし、小さくやり切れたことを積み直していくと、少しずつ取り戻していけます。
完璧主義な考え方
「満点以外は無価値」という基準を持っていると、日常のほとんどの場面で自分に落第点をつけ続けることになります。 毎日その判定を重ねるうちに、自己肯定感はすり減っていくでしょう。
まじめで努力家の人ほど、こうした満点主義に縛られやすい面があります。
厚生労働省のこころの健康科学研究事業がまとめた認知行動療法のマニュアルでも、気分が落ち込んでいるときは、自分・周囲・将来の3つに悲観的な見方が向かいやすく、「きちんとできない自分はだめだ」といった自己否定的な考え方をしてしまうと説明されています(うつ病の認知療法・認知行動療法(治療者用マニュアル))。気分の落ち込みや不安が強いときほど、こうした否定的な考えがいっそう強まりやすいのです。
原因が見えてくると、「自分がだめだから」ではなかったと分かり、少し肩の荷が下ります。 多くの場合、原因は一つではなく、家庭での関わりや比べ癖、失敗の記憶などがいくつも重なっています。 どれか一つを完全になくそうとするより、影響の大きいものから順にほぐしていくほうが現実的です。
自己肯定感が低いままだと起きること
自己肯定感の低さは、放っておくと生活のさまざまな場面に影響します。 早めにケアするために、どんな影響が出やすいかを知っておいてください。
- 対人面:嫌われたくない一心で、本音を飲み込んでしまう
- 仕事面:自分の力を低く見積もり、手を挙げる機会を見送る
- 恋愛面:相手にしがみつくか、逆に先回りして距離を置いてしまう
- こころの面:自分責めが強まり、気分の沈みへ広がることがある
自分責めが強くなり、沈んだ気分が長引いているときは、早めのケアが必要なサインです。 「消えてしまいたい」とまで思うほど追い詰められているなら、抱え込まずに心療内科や精神科といった医療機関を頼ってください。 人に助けを求めるのは弱さではなく、自分の身を守るための行動です。 気分の落ち込みが続くときの見きわめには、精神的ストレスが限界を超えるサインと解消法も役立ちます。
今日から自己肯定感を高める方法
自己肯定感は、日々の小さな習慣で少しずつ育てていけます。 すべてを一度にやる必要はありません。 できそうなものから、一つずつ取り入れてみてください。
1. 「できたこと」を寝る前に書き出す
寝る前に、どれだけ些細でもかまわないので「今日やれたこと」を3つだけ書き留めてください。 自己肯定感が低いと、布団の中で「あれもこれも足りなかった」と振り返りがちなので、あえてやれた側に視線を移します。
「朝起きられた」「洗い物をした」でも十分です。 自分を認める視点が、少しずつ育っていきます。
2. 否定的な口ぐせを言いかえる
心の中で「自分なんて」と浮かんだら、「今、そう感じているだけ」と置きかえてみてください。 起きた事実と、頭の中の決めつけを分けるだけでも、重さがずいぶん和らぎます。
「〜しなければ」を「〜できたらいい」に変えるのも役立ちます。 口にする言葉は、少しずつ自分の考え方をつくっていくからです。
3. 人と比べるのをやめ、昨日の自分と比べる
基準にするのは、他人ではなく一日前の自分にしてみてください。 ほんの少しでも前に進めていたら、その分をきちんと数えてあげます。
そもそも人それぞれ出発点も手持ちの条件も違うので、他人を物差しにしても正しい採点にはなりません。
4. 完璧を手放す
自分の合格点を「7割できたら花丸」あたりまで引き下げてみてください。 満点を狙わないのはサボりではなく、自分を追い込みすぎないための調整です。
「六割で御の字」と思えると、心に余白が生まれます。 求める水準が下がるほど、最初の一歩を踏み出しやすくなります。
5. 自分をいたわる言葉をかける
仲のいい友だちが落ち込んでいたら、どんな言葉をかけるかを想像し、その言葉を自分自身にも向けてみてください。 人は、他人には寛大でも、自分にだけは採点が厳しくなりがちです。
自分を責める代わりにいたわる習慣が、心の土台を支えます。 自分にやさしくすることは、甘やかしとは違います。
6. 苦手な人や場所から距離を取る
いつも自分を下げてくる相手や、落ち着かない場から離れる判断も必要です。 自分の心を守る選択は、決してわがままではありません。
安心して過ごせる人や場を選ぶのも、自己肯定感を育て直す立派な一手です。 付き合う顔ぶれが変わるだけで、自分に対する見方まで変わることがあります。
つらいときは、一人で抱えないで
工夫を試しても自己肯定感の低さがつらいときは、無理をしないでください。 自分を責める気持ちが強いほど、一人で抱え込むと苦しくなります。
相談先を並べるときは、状態に合わせて選べるよう整理しておくと安心です。 まず気持ちを整理したいときはカウンセリング、気分の落ち込みや眠れなさが続くときは医療機関、という分け方が目安になります。 公的な窓口として「こころの健康相談統一ダイヤル」では無料の相談も受け付けています。 一つの窓口で解決しなくても、合わないと感じたら別の先を頼れば大丈夫です。
胸のうちを誰かに言葉にするだけでも、重く沈んでいた気持ちがふっと軽くなる場合があります。 どこに相談すればいいか迷う方は、ストレスの相談はどこにする?適切な相談先も参考になります。 身近に話せる人がいないと感じる方は、相談できる相手がいない時に抱え込まないための方法も読んでみてください。
自己否定の癖を一緒に整理できる|オンラインカウンセリング「Kimochi」
「自己肯定感の低さを、どうにかしたい」 そんなときに頼りやすいのが、オンラインで相談できるKimochiです。 Kimochiでは国家資格を持ったカウンセラーが、悩みの整理まで丁寧に寄り添います。 自己否定の癖は、自分ひとりでは気づきにくいものです。 第三者と話すことで、はじめて見えてくる考え方のパターンもあります。
※Kimochiは18歳以上の方を対象としたサービスです。未成年の方がご利用になる場合は、保護者の方の同意が必要です。もし今、つらい気持ちを一人で抱えているなら、上記でご紹介した相談窓口や、身近な信頼できる大人にもぜひ話してみてくださいね。
オンラインカウンセリング「Kimochi」の特徴
- ①国家資格を持つカウンセラーのみが在籍
Kimochiには、国家資格『公認心理師』を持つカウンセラーのみが在籍しています。資格や経験を持つ専門家が、気分の重さの背景にある気持ちを丁寧に整理する手伝いをします。
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自宅にいながらビデオ・チャットで相談できるため、人目を気にせず、安心して利用できます。
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月1回30分の利用から、月4回60分でしっかり相談できるプランまで、自分のペースに合った形を選べます。初月割引もあるため、まずは試してみたいという方にもハードルが低くなっています。
- ④24時間予約可能・ビデオもチャットも対応
仕事や家事の合間でも予約しやすく、声を出して話すのが難しいときはチャットでの相談も可能です。
「どうせ自分なんて」という気持ちは、うまく言えないまま話し出しても問題ありません。 言葉を探しながら、一緒に少しずつほどいていけます。
もし体調にはっきり影響が出ているときは、医療機関への相談を先に考えてください。 夜に気持ちが揺れる時間帯でも、自分のペースで話せます。
よくある質問(FAQ)
Q1. 自己肯定感が低いのは、生まれつきですか?
生まれつき決まっているものではありません。 育ってきた家庭や経験のなかで形づくられるもので、大人になってからでも育て直せます。 今が低くても、「もう変われない」とあきらめる必要はありません。
Q2. 自己肯定感と自信は、同じものですか?
似ていますが、少し違います。 自信は「何かができる」という感覚で、自己肯定感は「うまくできない自分も含めて受け入れられる」感覚です。 自信がなくても、土台となる自己肯定感を育てることはできます。
Q3. 自己肯定感は、どれくらいで高まりますか?
人によってさまざまで、すぐに変わるものではありません。 小さな習慣を積み重ねるなかで、少しずつ育っていきます。 結果を急がず、続けること自体に意味があると考えてみてください。
Q4. 男性でも自己肯定感は低くなりますか?
はい、性別に関係なく、誰にでも起こります。 「弱音を吐いてはいけない」という思い込みから、かえって抱え込みやすい面もあります。 一人で我慢せず、相談していい悩みです。
Q5. カウンセリングでは何を話せばいいですか?
話す内容がまとまっていなくても大丈夫です。 「自分に自信が持てない」という状態からでも、カウンセラーが一緒に整理していきます。 話すうちに、自分を責めていた理由が見えてくることがあります。
Q6. オンラインでも自己肯定感の悩みを相談できますか?
はい、オンラインでも十分に相談できます。 Kimochiは自宅から匿名で利用でき、24時間いつでも予約できるため、人に会う負担なく相談できます。 すきま時間を使えるので、忙しいときでも続けやすい形です。
まとめ
自己肯定感の低さは、あなたの人柄のせいではありません。 育った家庭、比べ癖、傷ついた経験、満点主義といった複数の要素が、長い時間をかけて折り重なった結果です。 だからこそ、自分を責めるより、これから育てていく視点が助けになります。
自己肯定感は、生まれつきではなく、日々の小さな習慣で育て直せます。 できたことを書き出す、否定的な口ぐせを言いかえる、他人ではなく昨日の自分と比べる、完璧を手放す。 どれも今日から始められることばかりで、一度に大きく変えようとしなくて大丈夫です。
自分責めが強く、沈んだ気分が抜けない状態が続くなら、ためらわず医療機関を頼ってください。 気持ちを言葉にして整えたいときは、カウンセリングという道もあります。 「自分なんて」と切り捨ててしまう自分を、これからは少しずついたわってあげてください。 考え方のクセをほどいてみようと思えたら、Kimochiのカウンセリングを気軽に使ってみてください。