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ネガティブ思考をやめたい|原因と考え方を切り替える9つの方法

「何か起きるたびに、真っ先に最悪の結末が頭に浮かぶ」
「返信が少し遅れただけで、嫌われたのかもしれないと決めつけてしまう」
「もう性格だから直らない、と半ばあきらめている」
そんな疲れを、来る日も来る日も抱え込んでいませんか。

やめたいと思っているのに、思考のほうが勝手に走り出してしまう。これは、あなたの意志が弱いせいではありません。何度も使われた考え方は、意識しなくても勝手に立ち上がるようになります。言いかえれば、性格そのものというより「癖」に近いものです。そして癖であれば、時間をかけて変えていけます。

今回の記事では、ネガティブ思考とは何か、じつは備わっている役割、なりやすい人の背景、自分がどのパターンを使いやすいかの見分け方、そして今日から試せる考え方の切り替え方を、順にお伝えします。まずは「性格だから仕方ない」というあきらめを、いったん脇へ置くところから始めましょう。

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ネガティブ思考とは?じつはメリットもある

はじめに、ネガティブ思考の正体と、意外な役割を整理します。

そもそもネガティブ思考とは何か

ネガティブ思考とは、出来事を悪いほうへ受け取りやすい考え方の傾向です。

この分野では、精神科医のアーロン・ベックが提唱した認知行動療法(CBT)の考え方がよく知られています。CBTでは、頭に自然と浮かぶ考えを「自動思考」と呼びます。「片づけられない自分はだめだ」「あの言い方で相手を怒らせたかもしれない」といった具合に、狙って考えているわけでもないのに勝手に現れるのが特徴です。

大事なのは、この「自動」という部分です。自分の意思で呼び出しているわけではないため、「考えないようにしよう」という対処があまり効きません。むしろ抑えようとするほど、その考えは頭に居座ります。

ネガティブ思考には役割がある

最初に伝えたいのは、この思考は敵ではない、ということです。実際、次のような働きがあります。

  • 危険を先に察知できるので、リスクに気づいて備えられる
  • 最悪の事態を想定するからこそ、確認をおろそかにしない
  • 相手の反応に敏感になり、人の気持ちを読み取る力が育つ
  • 反省を次に生かし、失敗から学びやすい

こうした持ち味は、職場でも私生活でも力を発揮します。ネガティブに考えがちな人は、多くの場合、几帳面で責任感の強いタイプです。その資質そのものを、無理に否定する必要はありません。

問題になるのは「量」と「バランス」

手を焼くのは、ネガティブにとらえること自体ではありません。その考えがいつまでも続いてしまう点です。

同じ考えが何度も頭の中で再生される状態は、反芻思考とも呼ばれます。ぐるぐると回り続けると、心が休まる時間がなくなり、気力がすり減っていきます。目指すゴールは、明るい人間に生まれ変わることではありません。出番のある場面では活用し、そうでない場面ではそっと手放す。そこを目安にすれば十分です。

ネガティブ思考になりやすい人の原因

自分を責めるためではなく、しくみを知るために読んでみてください。理由がわかると、対処の糸口が見えてきます。

否定的な言葉を、繰り返し浴びてきた

けなされたり比べられたりを長く受けてきた人は、その言葉がやがて自分の内なる声にすり替わります。誰かに言われたわけでもないのに、自分で先に自分をこきおろしてしまう。他人に傷つけられる前に自分で言ってしまおうとする、一種の防御反応でもあります。親との関係に心当たりがあるなら、毒親の悩みはカウンセリングで楽になる?アダルトチルドレンとの関係も参考になります。

深く傷ついた経験がある

一度大きな痛手を負うと、脳は同じ痛みを避けようと身構えます。「また同じことが起きるのでは」という警戒が、関係のない場面にまで広がっていきます。

完璧主義の傾向がある

満点でなければ意味がないと考えると、いつも減点のほうへ目が向きます。できたことは当たり前とみなされ、できなかったことばかりが積み上がる。その繰り返しが、否定的な自己像を形づくっていきます。

心と体が、ただ疲れている

見落とされがちですが、これはとても大きな要因です。眠りが足りない日や働きづめの日が続くと、考え方は自然と暗いほうへ傾きます。「自分はだめだ」という感覚の一部は、疲労が生み出しているのかもしれません。休んで回復すると、まったく同じ出来事でも受け取り方が変わることがあります。仕事の負荷で眠れない状態が続いている方は、仕事の不安とストレスで眠れないときの原因と解消法もあわせてご覧ください。

情報の環境が、不安をあおっている

SNSやニュースは、不安をかき立てる情報が集まりやすいつくりになっています。比べる意図がなくても、視界に入っただけで頭が比較を始めてしまいます。これは根性の有無とは関係ありません。

思考の癖はどのタイプ?9つのパターン

ネガティブ思考には、いくつかの型があります。CBTでは、こうした偏った受け取り方を「認知のゆがみ」と呼びます。自分がどの型に傾きやすいかがわかると、手の打ちようが見えてきます。診断ではありません。自分のクセに名札をつける材料として読んでください。

浮かんできた考えは、まず紙に書き出し、次のどのパターンに当てはまるかを見比べるのがおすすめです。

パターン1|根拠のない決めつけ

わずかな事実から、飛躍した結論を引き出してしまう型です。「既読なのに返事がない、きっと怒っている」。ここで確かな事実は「返事がない」だけで、その先はすべて頭の中の想像です。

パターン2|白黒思考

物事を0か100かでしか見られない型です。「完璧にできないなら、やる価値がない」。両極でジャッジすると、あいだにある60点や70点の状態が視界から消えてしまいます。

パターン3|心のフィルター

全体のうち、ネガティブな一点だけに焦点が絞られる型です。10人からねぎらわれても、たった1人の苦言だけが記憶に残る。見る範囲が、知らないうちに狭められている状態です。

パターン4|拡大解釈と過小評価

失敗は実際より大きく、成功は実際より小さく見積もる型です。しくじりは「取り返しがつかない」、うまくいったことは「まぐれ」。自分に対してだけ別のものさしを当てていることに、当人はなかなか気づけません。

パターン5|べき思考

「こうすべき」「こうすべきではなかった」と、自分を規則で縛る型です。「もっと早く気づくべきだった」。この型には、罪悪感を呼び込みやすい性質があります。

パターン6|過度の一般化

たった一度の出来事を、「いつも」「必ず」と全体に広げてしまう型です。「他の人はできているのに自分だけ」といった比べ方も、ここに含まれます。

パターン7|レッテル貼り

行動への評価が、存在そのものへの評価にすり替わる型です。「失敗した」で止まらず、「自分はだめな人間だ」まで一気に飛んでしまう。過度の一般化が、より極端なかたちで現れたものといえます。レッテルを貼ると感情に飲み込まれ、冷静な判断がしにくくなります。

パターン8|自己関連づけ

自分に責任のない出来事まで、自分のせいにしてしまう型です。その場が気まずいのも自分のせい、相手が不機嫌なのも自分のせい。そうやって、引き受けなくていい責任まで抱え込んでしまいます。

パターン9|感情的決めつけ

そのときの感情を、そのまま事実の証拠にしてしまう型です。「不安だから、きっと失敗する」。けれど、感情は事実ではありません。不安を覚えていることと、実際に失敗することは、別の話です。

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今日からできる、考え方を切り替える8つの方法

思考の癖は、気合では変わりません。ただ、手順を踏めば少しずつ動かせます。全部を一度にやる必要はありません。取りかかれそうなものから試してみてください。

方法1|まず、紙に書き出す

頭の中にあるうちは、考えは同じところを回り続けます。紙に移してはじめて、少し離れた場所から見つめ直せます。書くのは「どんな出来事だったか」「そのとき頭に浮かんだこと」の2点で構いません。

方法2|事実と解釈を、線で分ける

たとえば「メッセージに返信がない」という出来事と、「怒らせた、嫌われた、もう終わりだ」という受け取り方を、分けて書き出します。並べてみると、受け取り方のほうが圧倒的に多いと気づきます。事実だけを取り出せば、絶望する材料はどこにもない場合がほとんどです。

方法3|どのパターンかに、名前をつける

「いまのは白黒思考だ」「これはレッテル貼りだな」。名前をつけると、その考えと自分の間にすき間ができます。考えを消し去る必要はありません。眺められる位置に移せれば、それで十分です。

方法4|「別の可能性」を、3つ挙げてみる

返事が来ないのは、機嫌を損ねたからとは限りません。仕事が立て込んでいる、就寝中、通知に気づいていない。どれが正解かを言い当てるのではなく、見方の候補を増やす練習です。ひとつの見方しかない状態から抜け出すのが狙いです。

方法5|友人にかける言葉を、自分にも向ける

もし友人が同じことで落ち込んでいたら、あなたは何と声をかけるでしょうか。きっと「そんなに気にしなくていいよ」と伝えるでしょう。自分にだけ厳しい基準を向けていないか、点検してみてください。

方法6|考える時間を、区切ってしまう

「思い悩むのは夜のこの時間まで」と区切ってしまえば、その枠の外ではいったん棚上げにできます。反芻をぴたりと止めるのは難しいため、時間の幅を絞るほうが現実的です。

方法7|体を動かして、思考を中断する

考えないようにするより、別の行動へ移るほうが効きます。軽い散歩、湯船につかる、手を動かすだけの家事。体の感覚へ注意を向けると、堂々めぐりの思考が途切れやすくなります。

方法8|睡眠と休息を、最優先にする

疲れた脳は、悲観的な結論に飛びつきやすくなります。考え方に手をつける前に、まずコンディションを整える。いちばん地味ですが、いちばん確実な方法です。

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一人で抱えきれないときの相談先

自分で行うケアだけでは追いつかないこともあります。そんなときは、遠慮なく外の力を借りてください。

なぜ、人に話すと変わるのか

書き出しても名札をつけても、なかなか動かないことがあります。そんなときは、ひとりで粘るより、外からの視点を借りたほうが近道になることがあります。

「なぜ、それをそこまでだめだと感じるのか」。この問いは、自分ひとりでは立てにくいものです。長く頼ってきた判断のよりどころは、すっかり空気のような存在になっていて、そもそも疑いの対象に入らないからです。ほかの人と話すことで、その土台自体が姿を現します。「きっと平気だと思おう」と言い回しだけ差し替えても、気持ちが追いついてこないことがあります。その場合は、さらに根っこにある思い込みへ手を届かせる必要があります。長らく自分を責めてきた人にとっては、責めてこない相手と過ごす時間そのものにも効き目があります。自分への嫌悪が強いと感じる方は、自分が嫌い・自己肯定感が低い原因と克服方法も参考になります。

公認心理師という選択肢

心の専門家のなかでも、公認心理師は日本で唯一の心理職の国家資格です。法律にもとづく守秘義務があり、話した内容が職場や家族に伝わることは制度として防がれています。相談者を責めたり急かしたりせず、必要なときには医療などの支えへつなぐ視点も備えています。

オンラインで相談できるKimochi

「病院にかかるほどではないけれど、この考え方の癖をどうにかしたい」。そんなときの選択肢になるのが、Kimochiというオンラインカウンセリングです。

Kimochiは医療機関にはあたらないため、診断や治療はおこないません。気持ちをほどいて整理する場として、次のような特徴があります。

  • 国家資格を持つカウンセラーが在籍:公認心理師が対応します
  • スマホ一つで始められる:登録から相談まで、スマホだけで完結します
  • 匿名・顔出しなしで相談できる:名前や顔を出さずに話せます
  • ビデオとチャットの両方に対応:声を出しづらい状況でも、文字だけでやりとりできます
  • 24時間いつでも予約でき、完全オンライン:夜、考えが止まらないときも自宅から相談できます
  • 3プランから選べる:30分から月4回まで、暮らしに合わせて選べます

医療機関にかかりながら、気持ちを整える場として並行して使うこともできます。同じ話を何度持ち出しても、そのたびにていねいに耳を傾けてもらえます。頭の中でこじれた考えほど、声に出して一緒にほどいてくれる相手がいると進みやすくなります。

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こんなサインが続くときは、医療機関へ

自分の考え方と向き合う作業は、思った以上に気力を吸い取ります。以下のようなサインが見られるときは、無理をしないでください。

  • 気分の落ち込みが2週間以上おさまらない
  • 眠れない、あるいは朝に起き上がれない日が続く
  • 食欲がなくなる、あるいは食べ過ぎが止まらない
  • これまで好きだったことに、まるで気持ちが動かない
  • 「いなくなってしまいたい」という思いが頭をかすめる

これらは弱さのしるしではなく、心が限界に達しかけている合図です。心療内科や精神科などの医療機関へ相談することが、回復への足がかりになります。ネガティブ思考の背景に治療が必要な状態があるかどうかを見きわめられるのは、医師だけです。受診したからといって、その場で薬を飲むと決まるわけではありません。まずは相談してみるだけでも十分です。

心身の限界サインについては、精神的ストレスが限界を超えるサインと解消法や、相談先の選び方をまとめたストレスの相談はどこにするべき?適切な相談先と解決のヒントでも紹介しています。

よくある質問(FAQ)

Q1|ネガティブ思考は、性格だから変えられないのでしょうか?

性格そのものというより、使い込まれてきた「癖」に近いものです。自然と浮かぶ考えは自動思考と呼ばれ、意識せずとも立ち上がります。ただ自動化されているだけなので、順を追って取り組めば少しずつ変えられます。

Q2|ネガティブ思考にも、良い面はありますか?

あります。危険をいち早く感じ取れる、準備を抜かりなく整える、他人の感情を察しやすい、しくじりを次に生かせる。こうした強みは、職場でも私生活でも生きてきます。やっかいなのは思考自体ではなく、それが延々と続いてしまうことです。

Q3|ポジティブ思考にならないといけませんか?

その必要はありません。目指すのは、必要な場面では働かせ、いらない場面では手放せるようになることです。無理に明るく変換しようとすると、かえって「そう思えない自分」を責めてしまいます。

Q4|「考えないようにしよう」としても、止まりません。

打ち消そうとするほど、その考えは頭にとどまります。紙に書いて外へ出す、どの型かに名札をつける、体を動かして意識をそらす。消しにかかるより、離れて観察できる位置へずらすほうがうまく運びます。

Q5|どのくらいで、変わっていきますか?

長い年月をかけて根づいた癖は、それに見合うだけの時間をかけて、ようやく変わっていきます。「数日試したのに変わらない」と気を落とす必要はありません。むしろ、そこですぐ落ち込んでしまうこと自体が、いまの思考の癖から来ているサインでもあります。

Q6|カウンセリングでは、どんなことをするのですか?

自分では見えにくい「判断のものさし」を、話しながら一緒に確かめていきます。長く使ってきた基準はすっかりなじみすぎて、疑いの対象に上がらないことが多いからです。言葉だけ置き換えても変わらなかった、という方にも役立つことがあります。オンラインなら自宅から24時間いつでも予約でき、匿名で話せます。

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まとめ

ネガティブ思考が手放せないのは、意志が弱いからではありません。使い込まれた考え方は自動思考となり、意識せずとも立ち上がってきます。要するに、性格ではなく癖の一種です。

しかも、この思考には危険察知や入念な準備といった役割もあります。なくしてしまうのではなく、必要な場面でだけ働かせられるようになれば十分です。まずは、自分がどのパターンを使いやすいかを知ってみてください。根拠のない決めつけ、白黒思考、心のフィルター、拡大解釈と過小評価、べき思考、過度の一般化、レッテル貼り、自己関連づけ、感情的決めつけ。CBTでいう認知のゆがみは、こうした型に整理できます。

そのうえで、紙に書き出して事実と解釈を切り分け、型に名札をつけ、別の見方を3つ探してみる。考え込む時間を区切り、体を動かし、そして睡眠を何より優先する。すぐに変わらなくても、焦らないでください。長くかけて積み上がった癖は、同じだけの時間をかけて、少しずつほどけていきます。

その歩みを、一人きりで抱え込まなくて大丈夫です。話せる場所を持つことも、まぎれもない一歩です。

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