「恋人からの返信が少し遅いだけで、『嫌われたのかな』『何かしたかな』と、そわそわして落ち着かない」「相手の態度に一喜一憂して、疲れてしまう自分を変えたい」
そんな悩みを調べるうちに、愛着スタイルという言葉にたどり着いた方も多いのではないでしょうか。
恋愛でいつも不安になってしまう背景には、「不安型愛着スタイル」と呼ばれる心の傾向が関わっていることがあります。
本記事では、愛着スタイルとは何かという4タイプの整理から、不安型の特徴、回避型との違いや組み合わせで起きること、どう形づくられるのか、そして変えていけるのか、カウンセリングでできることまでを順番に解説します。
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愛着スタイルとは?恋愛での関わり方を決める4つのタイプ
愛着スタイルとは、親しい相手との関わり方や、相手に近づいたり距離を取ったりする傾向を整理した心理学上の概念です。成人の恋愛関係にも愛着理論が適用され、安定型や不安型、回避型などのパターンが研究されています(出典:Hazan & Shaver, 1987)。
愛着理論の成り立ち
愛着スタイルのもとになっているのが、「愛着理論」です。
イギリスの精神科医ジョン・ボウルビィが、乳幼児が養育者との関わりを通じて「安心の基地」を築いていく過程を研究し、愛着理論を提唱しました。発達心理学者のメアリー・エインスワースは、ストレンジ・シチュエーション法という実験で、乳児の愛着のパターンを観察できる形に分類しました。
のちに、ヘイザン&シェイバーが1987年にこの理論を大人の恋愛関係に広げ、バーソロミュー&ホロウィッツが1991年に、いま広く使われている4分類を整理しました(出典:ボウルビィの愛着理論、バーソロミュー&ホロウィッツ 1991ほか)。
2つの軸と4つのタイプ
現在の研究では、愛着スタイルは大きく2つの軸で捉えられています。
一つは「不安軸」で、見捨てられることへの恐れの強さを表します。もう一つは「回避軸」で、親密になることを避けたい気持ちの強さを表します。この2軸の組み合わせで、次の4つのタイプに分かれます。
- 安定型。不安も回避も低く、相手を信頼しながら安心して関われるタイプです。
- 不安型(とらわれ型)。見捨てられ不安が強く、相手の反応に敏感になりやすいタイプです。
- 回避型(拒絶型)。親密さを避け、頼ることや深く関わることに警戒心を持ちやすいタイプです。
- 恐れ型(恐れ・回避型)。近づきたい気持ちと避けたい気持ちの両方が強く、揺れやすいタイプです。
どのタイプが良い悪いというものではありません。それぞれに強みと苦手があります。
不安型愛着スタイルの特徴
恋愛で不安になりやすい人の多くが当てはまるのが、不安型愛着スタイルです。相手とのつながりを強く求める一方で、それを失う恐れも強い、という特徴があります。次のような傾向に心当たりがないか、確認してみてください。
- 恋人の既読がつかない、返信が短いだけで「嫌われたのでは」と不安になる
- 相手の表情や態度から、気持ちを深読みしすぎてしまう
- 「好き」と言ってもらえないと安心できず、何度も確認したくなる
- 一人の時間があると落ち着かず、常に連絡を取っていたい
- 相手に合わせすぎて、自分の気持ちを後回しにしてしまう
好きな相手ほど、その人を失う怖さが強くなり、ささいな変化に過剰に反応しやすくなります。恋人の返信が遅いだけで不安が止まらないつらさは、恋愛中の不安が止まらないときの対処法でも取り上げています。
一方で、不安型には強みもあります。相手の気持ちの機微に敏感で、共感する力が高く、関係に深く向き合える人が多いのです。不安型であること自体を、欠点だと決めつける必要はありません。
大切なのは、不安になりやすい自分を否定することではなく、その傾向を理解して、うまく付き合っていくことです。傾向を知れば、不安に振り回される場面を少しずつ減らしていけるでしょう。
回避型との違いと、組み合わせで起きること
不安型とよく対比されるのが、回避型愛着スタイルです。両者は、親密さへの向き合い方が正反対に見えます。
回避型の特徴
回避型の人は、親密さが強まると、無意識に距離を取ろうとします。
「重い」「一人の時間がほしい」「束縛されたくない」と感じやすく、周囲からは自立して落ち着いているように見えることも多いです。冷たいわけではなく、深く関わって傷つくことを避けるために、距離を取る関わり方を身につけてきた、というのが愛着理論の見方です。人と近づくことそのものが怖いと感じる場合は、恋愛が怖い・人を好きになれないときの原因と一歩の踏み出し方もあわせて読んでみてください。
不安型と回避型の違い
不安型と回避型の違いは、先ほどの2軸で整理すると分かりやすくなります。
不安型は「見捨てられ不安が高く、親密さは求める」タイプで、相手に近づこうとする特徴があります回避型は「親密さを避けたい気持ちが高い」タイプで、相手から離れようとします。同じ不安定さでも、不安が近づく方向に働くか、離れる方向に働くかが逆なのです。
不安型と回避型の組み合わせで起きること
不安型の人と回避型の人が付き合うと、特有のすれ違いが起きやすくなります。
不安型が不安から相手を追いかけるほど、回避型は息苦しくなって逃げたくなります。逃げられた不安型はさらに強く求め、回避型はますます距離を取る。この「追いかけると逃げる」悪循環にはまりやすいのです。
たとえば、不安型が「もっと連絡がほしい」と求めると、回避型は「束縛された」と感じて連絡を減らします。減った連絡に不安型はいっそう不安をつのらせ、また強く求める。どちらも相手を困らせたいわけではないのに、それぞれの心の癖がかみ合わずに、すれ違いが深まっていきます。互いのパターンを知ると、この繰り返しから抜け出す糸口が見えてきます。
苦しいのに惹かれ合いやすいのも、この組み合わせの特徴です。同じパターンを恋愛で繰り返してしまうと感じるなら、恋愛がうまくいかない原因と繰り返すパターンの変え方が手がかりになるかもしれません。相手を信じきれずに不安になってしまうときは、相手を信用できない不安から抜け出す方法も参考にしてみてください。
愛着スタイルはどう形づくられるのか
愛着スタイルは、幼いころの養育者との関わりのなかで形づくられていくと考えられています。
泣いたときに応えてもらえた、不安なときに受け止めてもらえたという経験が積み重なると、「人は信頼できる」「自分は愛される」という安心の土台ができ、安定型に育ちやすくなります。
反対に、応えてもらえるときとそうでないときの差が大きく、対応が一貫しなかった場合、不安型になりやすいとされます。愛情を受けたかと思えば急に突き放されるといった不安定な関わりが、「いつ失われるか分からない」という感覚につながるのです。
子どものころに「どうすれば見捨てられずにすむか」を必死に読み取ろうとした経験が、大人になっても相手の顔色をうかがう癖として残ることがあります。恋人のわずかな変化に敏感になるのは、かつて身を守るために身につけた反応が、今も働いているからだとも考えられます。
ただし、ここで大切な注意点があります。同じように育っても、身につくスタイルには個人差があり、必ずこうなると決まっているわけではありません。原因を過去や親のせいにして探し続けるより、「いまの自分のパターンを知る」ことのほうが、変化への近道になります。幼少期の関わりが今の生きづらさに影響していると感じる方は、アダルトチルドレンとカウンセリングの関わりも参考になるでしょう。
不安型愛着スタイルは変えられるのか|安定型に近づく関わり方
不安型愛着スタイルは、一度決まったら一生変わらないものではありません。安定した関わりや、自分を見つめ直す取り組みを通じて、安定型に近い状態へ近づいていけると考えられています。
自分の不安のパターンに気づく
まずは、自分がどんなときに不安になりやすいのかを知ることから始めます。
「返信が遅いと不安になる」「相手の予定が見えないと落ち着かない」と、不安のスイッチが入る場面を書き出してみてください。パターンが見えると、不安に飲み込まれる前に「またこの反応が出た」と一歩引いて眺められるようになるでしょう。
事実と、自分の解釈を分ける
不安型の人は、事実に自分の解釈を重ねて、悪いほうへ考えを広げてしまいがち。
「返信がない」という事実に、「嫌われた」という解釈をすぐくっつけないでください。事実は「まだ返信がない」だけです。「仕事が忙しいのかも」と別の可能性も並べてみると、不安が少し落ち着くことがあります。
不安を、責めずに言葉で伝える
不安を隠して相手を試すような態度を取ると、すれ違いが深まりかねません。
「返信がないと少し不安になるから、遅くなるときは一言もらえるとうれしい」と、相手を責めずに自分の気持ちとお願いを言葉で伝えてみてください。安心できる形を二人でつくっていくと、不安は少しずつやわらぐでしょう。
安心できる関わりのなかで、少しずつ修正する
安定型のパートナーや、信頼できる相手との安心できる関わりを重ねる経験そのものが、愛着のパターンをやわらげていきます。
「不安をぶつけても見捨てられなかった」という体験が積み重なると、「人は信頼できる」という感覚が育ち直す可能性があります。時間はかかりますが、大人になってからでも土台はつくり直していけます。
パートナーがいない場合でも、友人やカウンセラーなど、安心して頼れる相手との関わりが同じ役割を果たすことがあります。。焦らず、安心できる関係を一つずつ増やしていくイメージで取り組んでみてください。
恋愛で不安になりやすい自分と向き合う|オンラインカウンセリング「Kimochi」
不安型愛着スタイルは、自分一人で気づいて変えていくのが難しいこともあります。長年くり返してきたパターンは、自分では当たり前になっていて見えにくいからです。
不安になるたびに「また自分のせいだ」と責めてしまうと、パターンはかえって強くなりがちです。だからこそ第三者と一緒に振り返ることで、自分では気づけなかった思い込みや、不安の引き金が見えやすくなります。
自分の愛着の傾向を整理して、安定した関わり方を身につけていきたいとき、頼りやすいのがオンラインで相談できるKimochiです。
Kimochiでは、国家資格を持ったカウンセラーが、あなたの気持ちと関係のパターンを一緒にひもといていきます。カウンセラーとの安心できるやり取りそのものが、「人に頼っても大丈夫」という感覚を育て直す経験にもなります。
カウンセリングでは、あなたの話を評価したり急かしたりせず、傾聴(相手の話をさえぎらずに受け止めて聴くこと)の姿勢で耳を傾けます。不安になる自分を責めるのではなく、その不安がどこから来ているのかを一緒に見つめていく時間になります。
※18歳以上の方が対象です(18〜19歳は保護者の同意が必要です)。
オンラインカウンセリング「Kimochi」の特徴
- 国家資格を持つカウンセラーが対応
Kimochiに在籍するのは、公認心理師(日本で唯一の心理職の国家資格)を持つカウンセラーです。公認心理師には法的な守秘義務が課され、相談した内容が外部に漏れることは制度として防がれています。同期や職場に知られる心配なく話せます。
- 完全オンラインで匿名・顔出しなしOK
自宅にいながらビデオやチャットで相談できます。名前や顔を出さずに話せるため、人目を気にせず利用できます。
- ライフスタイルに合わせて選べる3つのプラン
月1回30分の利用から、月4回60分でじっくり話せるプランまで選べます。初月割引もあるため、まず試してみたいという方でも始めやすくなっています。
- 24時間予約可能・ビデオもチャットも対応
仕事の合間や休日でも予約でき、声を出して話すのがつらいときはチャットでの相談もできます。スマホ一つで始められます。
自分の傾向をもっと深く知りたい方は、カウンセリングで自己理解を深める方法も読んでみてください。
気持ちを言葉にしたいと感じたら、安心して話せる場所を探してみることも一つの選択肢です。
不安型愛着スタイルに関するよくある質問
不安型愛着スタイルは病気ですか?
病気ではありません。人が親しい相手とどう関わるかの傾向を表す考え方の一つで、性格の一部だと捉えられます。不安になりやすい傾向があるだけで、あなたに問題があるわけではありません。
不安型は生まれつきですか?変えられますか?
生まれつき固定されるものではなく、幼いころの関わりや、その後の人間関係のなかで形づくられていくと考えられています。安定した関わりや自分を見つめ直す取り組みを通じて、安定型に近い状態へ近づいていくことは十分に可能です。
不安型と回避型が付き合うとうまくいきませんか?
すれ違いは起きやすいものの、うまくいかないと決まっているわけではありません。お互いの傾向を理解し、不安型は追いすぎない、回避型は言葉で安心を伝える、といった歩み寄りができれば、関係を安定させていけます。まずは二人が自分のパターンを知ることが出発点です。
自分がどのタイプか、どうすれば分かりますか?
見捨てられ不安が強いか、親密さを避けたい気持ちが強いか、という2つの軸で自分の反応を振り返ると、傾向が見えてきます。ただし、はっきり一つに分かれないこともあります。正確に知りたいときは、専門家と一緒に整理していく方法もあります。
不安型を相手に伝えたほうがいいですか?
責めるためではなく、安心できる関わりを一緒につくるために伝えるなら、有効です。「こういうときに不安になりやすい」と共有できると、相手も対応しやすくなります。ただし、相手に変化を強いるのではなく、お願いとして伝えるのがおすすめです。
まとめ|恋愛で不安になる自分を変えたいあなたへ
不安型愛着スタイルとは何か、その特徴や回避型との違い、変えていくための関わり方を整理してきました。
恋人の返信が遅いだけで不安になってしまうのは、あなたが弱いからでも、面倒な人だからでもありません。幼いころからの関わりのなかで身についた心の傾向であり、多くの人が同じ悩みを抱えています。
自分の不安のパターンに気づく、事実と解釈を分ける、不安を責めずに言葉で伝える、安心できる関わりを重ねる。どれも今日から始められることばかりです。愛着のパターンは、大人になってからでもやわらげていけます。
一人で不安を抱え続けるのがつらいときは、気持ちを話せる場所を頼ってみてください。自分を変えたいと感じているいまが、安定した関わりへ近づいていく出発点になります。