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休職の始め方ガイド|診断書のもらい方・お金・過ごし方

「もう限界なのに、休みたいと言い出せない」
「休職したら、暮らしはどうなってしまうのだろう」
「一度休んだら、もう元の場所には戻れないのではないか」
そんな不安を抱えたまま、日々職場へ向かっていませんか。

休職を思い立ったとき、多くの人がつまずくのは、しくみのわかりにくさと、その先が見通せない心細さです。どこから着手すればよいのかつかめず、限界に達するまで身動きが取れない。その間に、立ち直りにかかる時間ばかりがふくらんでいく、ということが起こります。

今回の記事では、休職とは何かと取得までの道のり、診断書のもらい方と傷病手当金というしくみ、「休職したら終わり」は本当かどうか、そして休職中の過ごし方と復職・退職の見きわめをお伝えします。なお、細かな条件は加入する健康保険や勤務先の就業規則によって変わります。確かな内容は、ご自身の勤め先や、加入先の健康保険組合へ必ず問い合わせてください。

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休職とは?取得までの流れ

休職とは、従業員が病気やケガなどを理由に、会社との雇用関係を保ったまま、一定の期間だけ仕事を離れるしくみのことです。

まず押さえておきたいこと

休職は、法によって用意が義務づけられたしくみではありません。各社の就業規則にゆだねられているため、認められる条件や期間は勤め先ごとにまちまちです。目安として、次のような点が会社によって変わります。

  • 休める期間:数か月のところもあれば、数年まで認めるところもある
  • 給与の扱い:無給とする会社が多い
  • 必要な書類:たいてい医師の診断書が求められる
  • 勤続年数の条件:一定の在籍期間を求める会社もある

まずは、自社の就業規則を確かめるところから始めてみてください。

取得までの、おおまかな道のり

  1. 医療機関を受診する:心身の不調があるなら、まず受診が出発点です。おもな窓口は心療内科や精神科です。
  2. 診断書を書いてもらう:医師が「休養が必要」と判断すれば、診断書を作成してもらえます。
  3. 会社に申し出る:上司や人事に、診断書を添えて休職の意向を伝えます。
  4. 社内の手続きを進める:休職の期間、連絡のとり方、社会保険料の払い方などを確認します。
  5. 傷病手当金などを申請する:要件を満たせば、健康保険から給付が受けられることがあります。

「言い出せない」ときの切り出し方

何もかもを一度に伝えようとすると、かえって切り出しにくくなります。さしあたり「体調について、少しご相談したいことがあります」と、時間をとってもらうだけで足ります。診断書があれば、その先は書類がこちらの事情を代わりに伝えてくれます。わけを細かく打ち明ける義務はありません。

診断書のもらい方と、傷病手当金

ここが、いちばん不安の大きいところかもしれません。ひとつずつ見ていきましょう。

診断書は、どうやってもらうのか

診断書は、医師の診察を経てはじめて書かれるものです。「診断書がほしい」と口にすれば自動的に出る、という性質のものではなく、あくまで医師の見立てが前提になります。

受診のときには、次のようなことを伝えておくと、状況が正しく伝わります。

  • いつから、どんな症状があるか(寝つけない、食欲がわかない、涙が出る など)
  • 仕事や生活に、どんな支障が出ているか(ミスが増えた、出勤前に具合が悪くなる など)
  • その状態がどのくらい続いているか(続いている期間は大切な情報です)
  • 働き続けることへの不安があり、休養が必要だと感じていること

うまく話せるか不安なときは、あらかじめメモにして持っていくのがおすすめです。調子が悪いときほど、その場で言葉にするのは難しいものです。

費用と、発行までの時間

診断書は健康保険の対象外で自費となり、数千円ほどかかるのが一般的です。その日のうちに受け取れることもあれば、後日あらためて受け取る形になることもあります。

傷病手当金というしくみ

休職のあいだ給与が支払われないとき、健康保険から給付を受けられるしくみが用意されています。それが傷病手当金で、仕事以外が原因の病気やケガで働けない期間の生活を支えるためのものです(協会けんぽなどの健康保険による制度)。

主な支給の条件として、一般に次のような点が挙げられます。

  • 業務外の病気やケガであること(仕事が原因なら労災の対象になります)
  • 仕事に就けない状態であること(医師の意見が必要です)
  • 連続する3日の休みがあること(この3日は「待期」と呼ばれます)
  • 給与が支払われていないこと(支払われている場合は対象外です)

待期は、3日を続けて休んではじめて整います。2日続けて休んでも、3日目に出勤すると整いません。この待期を終えた4日目以降が、給付の対象になります。また、休んだ期間に給与が出ている場合は支給されませんが、その額が傷病手当金を下回るときは、その差額が支払われます。

いくらもらえるのか

1日分の額は、支給が始まる日より前の連続した12か月について、標準報酬月額の平均を30で割り、そのうちの3分の2として求められます。おおざっぱには、ふだんの月収の3分の2あたりが目安です。仮に平均が月30万円であれば、1日およそ6,667円という計算になります。とはいえ、休んでいるあいだも社会保険料は払い続けるため、手取りの実感はこれよりやや目減りします。

いつまでもらえるのか

受け取れる長さは、支給の始まった日を起点に、通算で1年6か月です。令和4年(2022年)1月以降に始まったものは通算方式となり、間に出勤して給付が止まった期間は数に含めず、合計が1年6か月に届くまで受け取れます。言いかえれば、いったん復職したのちに再び体調をくずしても、余っている分を使えるということです。

退職後も、受け取れる場合がある

要件を満たしていれば、会社を辞めたあとも続けて受け取れます。辞める日までに健康保険への加入が途切れず1年以上あり、その時点で傷病手当金を受けている、あるいは受けられる状態であることが求められます。ここで見落とされがちなのが、辞める当日に出勤してしまうと継続の給付を受けられなくなることがある、という点です。退職を視野に入れるなら、前もって必ず確かめてください。

手続きは、一人で抱えなくていい

申請書には、医師が書く欄と会社が書く欄があります。進め方については、勤め先の人事担当や、加入している健康保険組合にたずねられます。体調がすぐれないときは、家族に代理で連絡を入れてもらっても差し支えありません。額や要件は状況によって変わるので、確かな点は健康保険組合などに確認してください。

「休職したら終わり」は本当か

ここが、多くの人が足を止めてしまう理由です。

キャリアが終わるわけではない

休職は、退職とは違います。雇用関係を保ったまま、回復のための時間を確保するしくみです。そして、休職を経て復職し、その後も長く働き続けている人はたくさんいます。

むしろ、限界まで耐えるほうが痛手は大きい

消耗しきったまま仕事を続けていると、次のような事態を招きやすくなります。

  • ミスが重なり、評価が下がっていく
  • 回復に必要な期間が、どんどん延びる
  • 判断力が鈍り、極端な選択をしてしまう
  • 体の不調が長引き、慢性化する

早めに休むほうが、結果として戻るのも早くなりやすいと言われています。

「逃げ」ではなく「治療」

骨を折ったときにギプスで固めるのと同じで、治るには整えるべき条件があります。心の不調において、休むことそのものが治療の一部を担います。仕事をこなしながら治そうとして、思うようにいかないことは少なくありません。

周囲の目が気になるとき

「まわりに迷惑がかかる」「無責任だと受け取られる」。そう案じて踏み出せない人は多いものです。ですが、限界を越えていきなり出勤できなくなるほうが、引き継ぎも間に合わず、周囲へのしわ寄せはむしろ大きくなります。段取りを整えて休むことは、周りへの心づかいでもあるのです。心身の限界の合図については、精神的ストレスが限界を超えるサインと解消法でも詳しく紹介しています。

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休職中の過ごし方

「休んでいるあいだ、何をすればいいのかわからない」。これも、よく聞かれる悩みです。

最初の時期は、とにかく休む

休職に入ったばかりの頃は、無理に何かに取り組もうとしなくて大丈夫です。好きなだけ眠り、まるまる何もしない日があってかまいません。「休んでいるのに、何も産み出せていない」とあせる人は多いのですが、そのあせり自体が、疲れがにじみ出ているしるしです。立ち直りには、まずすり減りを食い止めることが欠かせません。

少し戻ってきたら、生活リズムを整える

少し戻ってきたと感じたら、まず起床の時刻をそろえるあたりから手をつけてみてください。朝はカーテンを開けて日ざしを取り込む。昼のうちに、ほんの少し戸外の空気にふれる。寝つけなくても、横たわって体を休めるだけで意味があります。不眠が続いているなら、仕事の不安とストレスで眠れないときの原因と解消法も参考になります。

やってしまいがちで、避けたいこと

  • すぐさま転職活動を始める(判断力が戻らないうちの決断は、極端に振れます)
  • 仕事に関する情報を追い続ける(せっかく休んでいる意味が薄れます)
  • 資格の勉強で「有意義に過ごそう」とする(立ち直りより先に負荷を背負うことになります)
  • お酒でまぎらわせる(眠りが浅くなり、回復が後ろへずれます)
  • 人づきあいをすっかり絶つ(ひとりきりは状態を悪くしがちです)

回復してきたら、少しずつ動いてみる

散歩、買い物、図書館へ行く。外で過ごせる時間が延びてきたら、それが回復の合図です。決まった時間に出かけられるようになると、復職の見通しも立てやすくなります。

会社との連絡は、決めた頻度で

連絡の回数やとり方は、休職に入る前に取り決めておくと安心です。毎日そわそわせずに済み、休むことに専念できます。

主治医とのつながりを、切らさない

体調の変化を医師に報告し続けることは、職場へ戻る判断にも影響します。通院を絶やさないこと自体が、そのまま復帰への下ごしらえになります。

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復職・退職の判断と、カウンセリングの活用

休職の終盤にさしかかると、多くの人が迷います。

判断は、体調が戻ってから

消耗しきった状態でくだす判断は、いつもより極端なほうへかたよります。「あの職場には二度と戻れない」。そう思い込んでいた人が、回復したのちには見え方が変わることもあります。急ぎでないのなら、心が落ち着くのを待って決めても遅くはありません。

復職を考えるときの目安

  • 生活リズムが、安定してきた
  • 決まった時間に、外出できるようになった
  • 通勤の時間帯に外を歩いても、負担が少ない
  • 腰を据えて、本や資料を読める時間が戻ってきた
  • 仕事を思い描いても、極端な不安に襲われなくなった

これらはあくまで一般的なめやすです。最後の判断は、主治医と相談を重ねながら進めてください。

復職の形は、ひとつではない

短い時間での勤務から戻る、配属先を変えて戻る、担当する仕事を調整する、リワークプログラムを活用する。勤め先の制度や、お住まいの地域の支援機関で使えるものもあります。産業医や人事にあたってみると、思いがけない道が開けることもあります。

退職を考える場合

もとの環境へ戻るのは難しい、と感じることもあるでしょう。その場合も、勢いにまかせて決めないでください。次のような点は、前もっての確認が欠かせません。

  • 退職後も傷病手当金を続けて受け取れるか、要件を確かめる
  • 失業給付がどう扱われるかを、ハローワークで確かめる
  • 退職日をいつにするかで、気をつける点がないか確かめる

費用や手続きの要件は、その人の状況によって変わります。確かな内容は、ハローワークや社会保険労務士、健康保険組合といった専門の窓口に確認してください。

気持ちの整理は、別の場所で

しくみや要件が整っても、心が追いつかないことがあります。「頭では理解しているのに、踏ん切りがつかない」。この部分は、制度の窓口では手が届きません。ひとりで思い巡らせていると、考えは同じ場所を巡るばかりになります。声に出してほぐしていくと、「何を恐れているのか」「本心ではどうしたいのか」が見えてきます。仕事の相談先を整理したい方は、ストレスの相談はどこにするべき?適切な相談先と解決のヒントも参考になります。

数ある心の専門家のうち、公認心理師は日本で唯一の心理職の国家資格です。法にもとづく守秘義務が課されており、話した中身が職場に伝わることは、しくみとして防がれています。相談する人を責めたりせかしたりせず、必要な場面では医療などの支えへつなぐ視点も持っています。

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オンラインで相談できるKimochi

「主治医の診察の時間だけでは、とても話しきれない」「休職のあいだ、誰とも口をきかない日が続いている」。そんなときの選択肢になるのが、Kimochiというオンラインカウンセリングです。

Kimochiは医療機関にはあたらないため、診断や診断書の発行、治療はおこないません。診断書が要るときや、症状が重いときは、まず医療機関を受診してください。それをふまえ、気持ちを整える場として、次のような特徴があります。

  • 国家資格を持つカウンセラーが在籍:公認心理師が対応します
  • スマホ一つで始められる:登録から相談まで、スマホだけで完結します
  • 匿名・顔出しなしで相談できる:名前や顔を出さずに話せます
  • ビデオとチャットの両方に対応:声を出す元気がわかない日でも、文字だけでやりとりできます
  • 24時間いつでも予約でき、完全オンライン:外出が難しい時期でも、夜の時間帯でも自宅から相談できます
  • 3プランから選べる:30分から月4回まで、暮らしに合わせて選べます

医療機関にかかりながら、気持ちを整える場として並行して使うこともできます。同じ話を何度持ち出しても、そのたびにていねいに受け止めてもらえます。

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よくある質問(FAQ)

Q1|休職は、誰でも取得できますか?

休職は法で義務づけられたしくみではなく、各社の就業規則にゆだねられています。そのため、期間や条件は勤め先ごとに異なり、一定の勤続年数を求めるところもあります。まずは自社の就業規則に目を通してみてください。

Q2|診断書は、頼めば必ず書いてもらえますか?

診断書は、医師の診察を経てから書かれるものです。「ほしい」と言えば必ず出るものではなく、医師の見立てが前提になります。受診の際は、どんな症状か、どれくらい続いているか、仕事や暮らしにどう差し支えているかを、具体的に伝えてみてください。話せるか不安なら、メモを持って行くとよいでしょう。

Q3|休職中のお金は、どうなりますか?

多くの会社では、休職のあいだは無給あつかいになります。その代わり、要件を満たせば健康保険から傷病手当金が受け取れることがあります。額のめやすは、標準報酬月額の平均を30で割った数字のうちの3分の2で、だいたい月収の3分の2くらいです。ただし社会保険料は払い続けるため、手取りの実感はこれよりやや下がります。

Q4|傷病手当金は、いつまでもらえますか?

給付が始まった日を起点に、通算で1年6か月です。令和4年1月以降に始まったものは通算方式となっており、間に復職して給付が止まった期間は日数に数えません。そのため、職場に戻ったあと再び体調をくずしても、残っている分を使えます。

Q5|休職したら、キャリアは終わってしまいますか?

休職は退職とは別もので、雇用のつながりを保ったまま、立ち直る時間を確保するしくみです。それどころか、限界まで踏ん張って働き続けるほうが、回復に要する期間は延びがちです。早めに休むほうが、かえって戻るのも早まりやすいと言われています。

Q6|休職中は、何をして過ごせばいいですか?

出だしの時期は、まず休むことを何よりも優先してください。戻ってきたら、起床の時刻をそろえる、朝日を浴びる、短めの外出をする、といった具合に、少しずつ体を動かしてみてください。転職活動や資格の勉強を早々に始めると、かえって立ち直りが遅れることがあります。

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まとめ

休職は、雇用のつながりを保ったまま、立ち直りの時間を確保するしくみです。法で決められたものではなく、各社の就業規則しだいで条件が変わるので、まずは確認から入ってみてください。

手順としては、医療機関にかかって診断書を受け取り、会社へ申し出て、傷病手当金などを申し込む。傷病手当金は、3日続けての待期を終えた4日目から、月収の3分の2ほどが、通算で1年6か月まで受け取れます。

「休職したらおしまい」ではありません。限界まで踏ん張り続けるほうが、立ち直りにかかる時間はかえって延びてしまいます。休職中は、はじめは何もしないでいい。回復してきたら生活リズムを整え、少しずつ外へ出てみる。そして、職場へ戻るか辞めるかの見きわめは、体調が回復してからにしてください。

しくみに関しては会社や健保組合に、体に関しては主治医に、そして気持ちに関しては話せる場所に頼ってください。何もかもをひとりで背負わなくて大丈夫です。

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