「職場で無視されている」「陰口が止まらない」「上司からの暴言がつらい」——今、そんな状況に追い詰められていませんか。
職場いじめは、放置するとエスカレートすることがあります。一人で抱え込まず、まず状況を整理して行動することが大切です。あなたは悪くありません。
この記事では、職場いじめのパターン・標的になりやすい人の特徴・今すぐ取れる対処法・相談先まで、一通りまとめて解説します。
この記事でわかること:
- 職場いじめの現状
- 標的になりやすい人の特徴
- よくある5つのパターン
- 加害者の心理的特徴
- 今すぐできる5つの対処法
- 公的な相談窓口
職場いじめの現状
職場いじめは、個人の問題としてだけでなく社会問題となっています。厚生労働省の総合労働相談コーナーにおいて「いじめ・嫌がらせ」に関する相談は毎年最も件数が多く、令和4年度には個別労働紛争全体の22.1%を占めています。
また、Job総研の2023年調査では、職場いじめの被害を受けた人のうち6割以上が「解決していない」と回答しています。多くの方が解決の糸口をつかめずにいるのが実情です。
ニュースやSNSでも社内いじめやパワハラに関する情報が増えており、相談しにくい環境・働きにくい職場環境がまだ多く残っていることが背景にあります。
職場いじめの標的になりやすい人の特徴
いじめの対象になりやすい傾向がある人の特徴を紹介します。ただし、これらに当てはまることがいじめを受ける原因ではありません。あくまで状況を知り、対策を考えるための参考にしてください。
仕事に不慣れでミスが目立つ人
なかなか仕事を覚えられなかったり、ミスが多い人はいじめの標的にされやすい傾向があります。チームでの仕事についていけず孤立することもあります。
自己主張が苦手で意見を言いづらい人
理不尽な仕事を押し付けられても断れなかったり、何でも受け身な姿勢でいる人は「弱い存在」とみなされ、標的にされるケースがあります。
周囲とのコミュニケーションが噛み合わない人
その場の空気を読むのが難しい方、人の話を聞かないなど自己中心的に見られてしまう方は、周囲との摩擦が生じやすく、孤立しやすい傾向があります。
愚痴や陰口が多く信頼されにくい人
不満や愚痴が多い人は職場の空気を悪くしてしまい、嫌われる対象になりやすいです。愚痴は一時的にストレス発散になっても、問題解決にはなりません。
完璧主義で真面目すぎる人
真面目でストイックな人は、他人にも厳しくなりがちです。ルールや期日に厳格で、ミスや遅延に対して感情的になることが続くと、周囲との距離が広がってしまいます。
職場いじめのよくある5つのパターン
パターンによって対処法も変わります。自分が受けている状況に近いものを確認してください。
①無視・陰口・陰湿な嫌がらせ
無視・物を隠す・陰で悪口を言う・大勢の前で批判するなど、長期的に続く精神的なダメージを与える行為です。1対1で行われることも多く、周囲から気づかれにくいのが特徴です。
②権力を利用したパワーハラスメント
上司や先輩が職場内の立場を利用して、業務範囲を超えた命令・暴言・精神的苦痛を与える行為です。「ダメ人間」「消えちまえ」などの過度な暴言は、パワハラに該当します。長期化するとうつ病に至るケースもあります。
③性的言動によるセクシャルハラスメント
相手の意に反する性的な言動によって不利益を与えたり、職場環境を悪化させる行為です。悪意がなかった場合でも、被害者の主観が重視されます。特に言動への注意が必要です。
④ミスへの注意ではなく人格否定
「お前が人間としてダメだから」など、起きた事象ではなくその人の人格・人間性を否定する言葉はパワハラに該当します。適切な業務指導と人格否定は、明確に異なります。
⑤休日・休み時間がもらえない
有給を取得させない、休めない雰囲気をつくるといった行為は、違法行為になる可能性があります。雇用条件として提示されていた休暇制度と実態が違う場合は、権利として主張できます。
いじめ加害者の傾向と心理的特徴
職場いじめの加害者は必ずしも「悪人」として存在するわけではありません。一見普通に仕事をしているように見える人が、陰で誰かを追い詰めていることもあります。
自己肯定感が低く攻撃的なタイプ
自信のなさや劣等感を、他者への攻撃で補おうとします。「誰かより優位に立つ」ことで安心感を得ています。
支配欲が強く弱い立場を狙うタイプ
人の上に立ちたい・思い通りに動かしたいという欲求が強く、立場の弱い人を精神的に支配しようとします。役職者や中堅社員にも見られます。
同調圧力を利用するタイプ
「みんなが言ってる」「あの人おかしいよね」と周囲を巻き込み、集団で特定の人を排除することで自分の立場を守ろうとします。
傍観者・巻き込まれる側の心理
加害者ではないけれど「見て見ぬふりをする」「同調してしまう」人も、いじめの構造の一部を担っています。自分が標的になることへの恐怖が背景にあることが多いです。
今すぐできる職場いじめの5つの対処法
①証拠をできるだけ早く記録する
対処の第一歩は、記録を残すことです。いつ・どこで・誰から・どんなことをされたかを詳しくメモしておきましょう。可能であれば音声録音も有効です。
有効な証拠の例:
- 日時・場所・内容を記したメモ(いじめ日記)
- 暴言・脅しなどの音声録音
- メールやSNSのスクリーンショット
- 医師による診断書
証拠があると、社内外への相談でも事実として認識してもらいやすくなります。
②冷静に自分の気持ちを整理して伝える
ハードルは高いかもしれませんが、相手に自分の思いを冷静に伝えることが有効な場合があります。
まず自分の気持ちを整理してみましょう。思ったことをノートに書き出す・喜怒哀楽に分けて整理する・出来事を時系列で記録するといった方法が役立ちます。感情的にではなく、事実をもとに話すことが大切です。
③相手と物理的・心理的距離をとる
距離が近すぎることで感情的な言動が出やすくなることもあります。近づくことでマイナスになると感じる相手とは、適切な距離をとることが自分を守る手段になります。
④信頼できる人・相談窓口に話す
一人で抱え込まず、信頼できる家族・友人・同僚に相談することで、気持ちが楽になります。社内改善を求めるなら、管理監督者・社内の苦情処理窓口・ハラスメント相談窓口へ申告しましょう。
2020年のパワハラ防止法の施行以降、すべての企業に相談窓口の設置が義務づけられています。社内での解決が期待できない場合は、次に紹介する公的機関を活用してください。
⑤改善されない場合は転職・法的手段も検討する
いじめが改善されないなら、転職を視野に入れることも大切です。環境を変えることは、逃げではなく自分を守るための判断です。精神的に限界を感じる前に行動しましょう。
法的手段を検討する場合は、まず弁護士の無料相談を活用し、必要な証拠と費用感を確認してください。不法行為(民法第709条)に基づく損害賠償・使用者責任(民法第715条)の追及ができる可能性があります。
職場いじめの相談窓口まとめ
社内での解決が難しい場合や、客観的な判断が必要な場合は、以下の公的機関に相談してください。
総合労働相談コーナー(厚生労働省)
各都道府県の労働局・労働基準監督署内に設置されています。予約不要・無料で、あらゆる労働問題の相談に対応しています。
ハラスメント悩み相談室(厚生労働省)
パワハラ・セクハラ・マタハラなどのハラスメントに特化した相談窓口です。
みんなの人権110番(法務省)
全国共通の人権相談ダイヤルです。匿名でも相談できます。
法テラス
弁護士費用の立替制度を活用した法律相談が可能です。費用の心配がある方にも利用しやすい窓口です。
心の負担が大きいときはカウンセリングも選択肢に
職場いじめが続くと、精神的に疲弊し、うつ症状や不眠が出ることもあります。心の不調が続く場合は、専門家への相談が力になります。
オンラインカウンセリング「Kimochi(キモチ)」なら、スマートフォンから公認心理師・臨床心理士に相談できます。職場の悩みや対人関係のストレスを、安心して話せる場所があります。
よくある質問
Q. 職場いじめを受けているか判断できません。どうすればいいですか?
厚生労働省はパワハラを6つの類型(暴言・人格否定・過大な業務・仕事を与えない・隔離・プライベートへの干渉)に分けています。自分の状況と照らし合わせ、「精神的・身体的苦痛を感じている」なら相談することをお勧めします。
Q. 証拠がないとどうにもなりませんか?
証拠がなくても相談はできます。ただし、今からでも日記・録音・メールの保存などで記録を残しておくことが、今後の対応を有利にします。
Q. 上司がいじめの加害者の場合はどうすればいいですか?
直属の上司が加害者の場合は、さらに上の上司・人事部・社内相談窓口に相談しましょう。社内での解決が難しければ、労働局や弁護士への相談も検討してください。
Q. 転職すべきかどうか迷っています。
いじめが改善される見込みがない場合、転職は有効な選択肢です。精神的な健康を優先することを第一に考えましょう。転職を会社都合にできるかどうかは、証拠の有無や状況によります。事前に相談窓口で確認しておくとよいでしょう。
Q. 職場いじめで精神的に限界になっています。今すぐ誰かに相談できますか?
はい。厚生労働省の「こころの耳」(働く人のメンタルヘルス相談)では、電話・メール・チャットで相談できます。また、総合労働相談コーナーは予約不要・無料で利用できます。一人で抱え込まないでください。
まとめ
職場いじめに遭っているのはあなたのせいではありません。放置するとエスカレートする可能性があるため、早めに行動することが大切です。
まずは記録を残すことから始めましょう。社内相談窓口・労働局・弁護士・カウンセリングなど、状況に応じた相談先があります。一人で抱え込まず、最初の一歩を踏み出してください。