「人の心をサポートする仕事がしたい」「メンタルヘルスに関わる資格を取りたいけれど、種類が多くてどれを選べばいいかわからない」と感じていませんか。
この記事では、メンタルヘルス・カウンセリングに関連する資格を27種類まとめて紹介します。特徴・取得方法・費用をあわせて解説しているので、自分の目標に合った資格選びに役立ててください。
この記事でわかること:
- 心理カウンセラーに資格が必要な理由
- 国家資格・民間資格27種類の特徴と取得方法
- 目的別のおすすめ資格の選び方
心理カウンセラーにメンタルヘルスの資格は必要?
心理カウンセラーは、日常生活や社会生活で悩みを抱える方の相談に乗り、解決策を一緒に探す仕事です。
実は法律上、資格がなくても「心理カウンセラー」と名乗ることは可能です。しかし、資格取得にはいくつかの重要な意味があります。
まず、専門的な知識とカウンセリング技術を持っていることの証明になります。クライアントの立場から考えると、資格を持つカウンセラーのほうが安心して相談できるはずです。また、教育現場や企業でのカウンセリング業務では、資格保有が採用の条件になることがほとんどです。
資格の種類によって、活躍できる場所や対象者が異なります。自分のやりたいことを明確にしてから、最適な資格を選びましょう。
メンタルヘルス関連の資格27種類一覧
①臨床心理士
臨床心理学に基づいた知識・技術を用いて、人の「心」に寄り添う専門家です。精神科医が「病気を治すこと」を主目的とするのに対し、臨床心理士はクライアントの心そのものに着目して支援します。
教育・医療・福祉・司法・産業など、非常に幅広い分野で活躍できる資格です。
取得方法・期間
指定大学院または専門職大学院を修了し、試験に合格する必要があります。大学入学から最短6年かかります。指定大学院には第一種(修了翌年に受験可)と第二種(修了後1年以上の臨床経験が必要)があります。
費用
- 資格申請書類:1,500円
- 資格審査料:30,000円
- 登録料:50,000円
- 合計:約81,500円
現在の心理職の現場では、臨床心理士に加えて公認心理師の資格も取得する「ダブルライセンス」が主流となりつつあります。
より幅広い領域で働くためには、両資格の取得を視野に入れることが一般的です。
②公認心理師
心理職唯一の国家資格です。公認心理師法に基づき平成29年に制定されました。心理状態の観察・分析、助言・指導、メンタルヘルスに関する教育の普及などが業務に含まれます。
取得方法・期間
四年制大学卒業後に大学院で指定科目を修了する、または四年制大学卒業後に指定施設で2年以上の実務経験を積む、という方法が主なルートです。いずれも6年程度が目安ですが、現在は大学・大学院ルートが主流となっています。
制度開始当初に設けられていた特例的な受験ルートは終了しており、今後は所定のカリキュラム修了が前提となります。
費用
- 受験手数料:28,700円
- 登録手数料:7,200円
- 登録免許税:15,000円
- 合計:約50,900円
臨床心理士と公認心理師の違い
臨床心理士は民間資格、公認心理師は国家資格です。歴史があるのは臨床心理士ですが、国家資格として今後普及が進む公認心理師も重要な選択肢です。仕事内容は似ていますが、臨床心理士は「臨床心理の研究」、公認心理師は「心の健康に関する情報発信・教育」がそれぞれ重視されています。
③精神科医
厚生労働省認定の医師免許を持ち、精神疾患の診断と治療を専門的に行う医師です。薬物療法や心理社会的治療、精神療法などを行います。病院・クリニックのほか、企業の産業医や精神保健福祉センターでも活躍できます。
取得方法・期間
医学部・医科大学で6年間学び、医師国家試験合格後に2年間の臨床研修を経て精神科を専門に選びます。精神科医として専門的に働く場合、「精神保健指定医」の資格を取得するケースが一般的です(必須ではありませんが、取得することで対応できる業務の幅が広がります)。
費用
国公立大学で6年間約350万円、私立医学部では2,000万〜4,000万円程度の学費がかかります。
④心療内科医
ストレスなどの心理的要因による身体症状(心身症・パニック障害・摂食障害・PTSDなど)を専門に治療する医師です。薬物治療も行える点はカウンセラーとの大きな違いです。
取得方法・期間
精神科医と同様に医学部・医科大学で6年間学び、医師国家試験に合格する必要があります。
⑤社会福祉士
身体・精神に障がいを持つ人や日常生活に困難を感じる人の相談援助を行う国家資格(ソーシャルワーカー)です。児童・高齢者・障害者福祉など幅広い分野で活躍できます。
取得方法・期間
福祉系大学での指定科目履修、短期養成施設、一般養成施設など複数のルートがあります。高校卒業から4年程度が目安です。
費用
受験料:19,370円(学費別途)
⑥臨床発達心理士
発達心理学をベースに、子どもから大人まで発達的観点で支援を行う専門家です。保育園・特別支援学級・老人ホームなど幅広い場所で活躍できます。
取得方法・期間
受験資格にはタイプⅠ〜Ⅳの5区分があります。いずれも3〜5年以上の臨床経験または研究歴が必要です。
費用
認定審査料:33,000円、資格認定申請ガイド:2,750円(合計35,750円)
⑦応用心理士
日本応用心理学会が認定する資格で、心理に関わる職業の方々のキャリアアップを目的としています。
取得方法・期間
日本応用心理学会に2年以上在籍し、大学・大学院での心理学専攻修了、研究論文・発表実績、3年以上の専門職経験などの条件を満たす必要があります。
費用
年会費:8,000円、審査料:10,000円、認定料:30,000円
⑧精神保健福祉士(PSW)
「精神科ソーシャルワーカー」とも呼ばれ、精神的な障がいや心の病を抱えた人の社会復帰支援・地域相談・日常生活の指導などを行う国家資格です。
取得方法・期間
大学での指定科目履修、短大での指定科目履修後の実務経験、養成施設での学習など3つのルートがあります。
費用
受験料:24,140円(施設利用料別途)。一般養成施設の場合は約130万円、短期養成施設の場合は約36万円が必要です。
⑨交流分析士
NPO法人日本交流分析協会が認定する資格です。人間の心と行動を分析し、より円滑な人間関係を築くことを目的としています。営業・接客・教育など対人関係の多い仕事の方に向いています。
取得方法・期間
初級・2級・1級に分かれており、それぞれ20〜40時間の講座受講が必要です。
費用
入会費4,000円、年会費6,000円のほか、初級57,750円〜1級137,060円程度
⑩認定心理士
日本心理学会が認定する、心理学の基礎的知識・技能を有することを示す資格です。職業との直結度は低いですが、心理学の基礎を証明できます。
取得方法・期間
大学・大学院で指定科目を履修し、学会に申請します。試験はありません。
費用
審査料10,000円、認定料30,000円、諸経費1,500円(合計約40,000円)
⑪産業カウンセラー
職場でのカウンセリングを担当し、社会人が自分の力で問題を解決できるようサポートする資格です。民間企業・病院・学校・NPOなど幅広い場所で活躍できます。社会人が働きながら取得しやすい資格の一つです。
取得方法・期間
日本産業カウンセラー協会の養成講座修了(6〜12か月)か、大学院での指定科目修了が必要です。
費用
養成講座:約23〜29万円(種類による)、受験料:学科10,800円・実技21,600円、登録料7,000円、年会費10,000円
⑫キャリアカウンセラー
相談者のキャリア形成を支援するカウンセラーです。企業の人事部門・人材派遣会社・大学のキャリアセンターなど、就職・キャリアに関わる場面で幅広く活用できます。
取得方法・期間
日本キャリア開発協会の認定講習修了か、3年以上の実務経験が必要です。
費用
学科試験:8,900円、実技試験:29,900円、登録手数料:約8,000円(合計約46,800円)
⑬カウンセリング心理士(認定カウンセラー)
カウンセリングの実践と研究・発展を目的とした資格です。2020年に認定カウンセラーから名称変更されました。
取得方法・期間
試験方式と推薦方式があります。試験方式は日本カウンセリング学会に1〜2年以上在籍するか、210〜240時間のカリキュラム受講が必要です。推薦方式は5年以上の実務経験が必要です。
費用
資格審査料:20,000円、認定料:30,000円
⑭認定臨床心理カウンセラー
臨床心理学の知識をもとに、カウンセリングや心理療法を行う専門家に与えられる資格です。学校・企業・カウンセリングルームなど活躍の場が広く、実践的な現場力が求められます。
取得方法・期間
短大・大学・大学院・専門学校等での心理学・心理療法の修了、または心理カウンセラー養成機関の修了が必要です。
費用
審査料:10,000円、認定料:50,000円、5年ごとの更新料:50,000円
⑮教育カウンセラー
教育現場でカウンセリングの知識・技術を活用する資格です。授業運営・保護者対応・進路指導など幅広い場面で役立ちます。学校教員や塾講師、家庭教師にも向いています。
取得方法・期間
初級・中級・上級に分かれており、初級は1年以上の実践歴と22時間以上の講習参加などが必要です。中級は5年以上、上級は7年以上のカウンセリング実践歴が必要です。
費用
初級:申請料10,000円+会員登録料20,000円+年会費4,000円(合計34,000円)、養成講座参加費約30,000円
⑯チャイルドカウンセラー
不登校・暴力行為などの問題を抱える子どもへの支援に必要な知識・技術を問う資格です。教育・医療・福祉の現場で活躍が期待されます。
取得方法・期間
JADP認定の教育機関で4か月程度のカリキュラムを受講・修了することで受験資格が得られます。
費用
受験料:5,600円(受講料別途)
⑰認定メンタル心理カウンセラー
日本能力開発推進協会(JADP)が認定する、高いカウンセリング能力を証明する資格です。カウンセリングを仕事にしたい方の入門的な資格として人気があります。
取得方法・期間
JADP認定機関での2か月程度のカリキュラムを修了することで在宅受験が可能です。
費用
受験料:5,600円、カリキュラム受講費:約38,600円(合計約44,200円)
⑱メンタルケアカウンセラー
心理学の知識と円滑なコミュニケーション能力を証明する資格です。学校・企業でのカウンセリングや独立開業にも活用できます。在宅で4回の添削課題をこなすだけで取得できる手軽さが特長です。
費用
登録料:5,100円(受講料別途)
⑲ケアストレスカウンセラー
心に関する基本的な知識を問う資格です。「青少年」「高齢者」「企業中間管理職」など専門特化型の上位資格に発展できます。
取得方法・期間
18歳以上であれば受験可能です。上位資格にはケアストレスカウンセラーの取得が必要です。
費用
受験料:10,000円(上位資格は12,000円)、テキスト:約2,500円
⑳ストレスチェックプランナー
平成27年から義務化された企業のストレスチェックを担当する資格です。プランニング・担当者指導・メンタルヘルス教育などを行います。
取得方法・期間
東京・大阪で開催される資格取得講座(規定日数)を受講・修了することで取得できます。
費用
受講料:78,000円
㉑ストレスチェックコンサルタント
企業のストレスチェック全体のサポートとコンサルティングを行う資格です。税理士・社会保険労務士・中小企業診断士などの専門家に向いています。
取得方法・期間
3日間の講習受講と最終日の試験合格が必要です(既保有資格によって短縮可能)。
費用
受講料(教材費込み):107,000円、受験料:15,000円(合計約122,000円)
㉒心理学検定
日本心理学諸学会連合が行う、心理学の知識を証明する検定です。大学卒業程度の知識が問われます。公認心理師の学習にも役立ち、合格で日本カウンセリング学会への入会資格(22歳以上)も得られます。
取得方法・期間
受験資格なし、独学での受験が可能です。
費用
A領域のみ・B領域のみ:各7,700円、両方同時受験:12,100円
㉓ビジネス心理検定
心理学のノウハウをビジネスに活用するための検定です。経営・人事・マーケティングにおける心理ノウハウが問われます。初級〜上級特別の4段階があります。
取得方法・期間
初級は18歳以上であれば受験可能です。上位級は下位級の合格が必要です。
費用
初級:13,800円(学生9,800円)、中級:32,800円、上級:59,800円、上級特別:113,800円
㉔日本メンタルトレーナー協会 メンタルトレーニング検定
スポーツ・学業・ビジネスにおけるメンタルトレーニングの知識・実技を問う検定です。スポーツ選手や受験生、ビジネスマンへのメンタルサポートが主な活躍の場です。
取得方法・期間
3級〜1級があり、3級は最短1日で取得可能ですが、上位級はカリキュラム受講と実技チェックが必要です。
費用
入会金:20,000円、年会費:22,000円、受講料:19,800円、検定料・申請料等を含め合計約70,000円程度
㉕EAPメンタルヘルスカウンセラー
EAP(従業員支援プログラム)とメンタルヘルスの両分野をカバーする資格です。企業でのEAP実施や心の病を抱えた方の復職支援など幅広く活躍できます。
取得方法・期間
EMCA認定カリキュラムの修了が受験資格の一つです。学科免除コースでは125時間の授業(全50回)を修了することで学科試験が免除されます。
費用
1次試験:11,000円、2次試験:27,500円(学科免除コースは受講料・教材費含め合計約401,500円)
㉖こころ検定
人間の「こころ」を心理学的な見地から学ぶ検定です。1〜4級があり、2〜4級はどなたでも受験可能です。1級の受験にはこころ検定2級合格またはメンタルケア心理士の資格登録が必要です。
費用
4級・3級:各6,000円、2級:7,700円、1級:学科8,000円+実技・口述5,000円
㉗メンタルヘルス・マネジメント検定試験
働く人々の心の健康を「未然に防ぐ」ことに重点を置いた資格です。Ⅰ種(経営幹部向け)〜Ⅲ種(一般社員向け)の3段階があり、企業内でのメンタルヘルス対策・人事業務で活躍できます。
取得方法・期間
受験資格なし、誰でも受験可能です。大阪商工会議所等で対策講座も開催されています。
費用
Ⅰ種:11,500円、Ⅱ種:7,480円、Ⅲ種:5,280円(対策講座は別途約10,000円)
目的別のおすすめ資格の選び方
27種類の資格を紹介しましたが、どれを選べばいいか迷う方のために、目的別に整理します。
医療・診断・薬物治療を行いたい方
精神科医または心療内科医が適しています。医師免許が必要なため、取得には最低8年以上かかりますが、医療行為ができる唯一の選択肢です。
心理の専門職としてキャリアを築きたい方
臨床心理士または公認心理師がおすすめです。教育・医療・福祉・企業など幅広い分野で通用します。取得に6年程度かかりますが、専門職としての信頼性が高い資格です。
企業でのメンタルケアに関わりたい方
産業カウンセラーが最も適しています。働きながら6〜12か月で取得でき、企業の人事・総務部門との相性が良い実践的な資格です。
教育現場で活かしたい方
教育カウンセラーまたはチャイルドカウンセラーが向いています。学校・塾など教育の現場でカウンセリングの知識を直接活かせます。
まず入門として学びたい方
認定メンタル心理カウンセラーやメンタルケアカウンセラーは、短期間・低コストで取得できます。心理学の基礎を学ぶ最初のステップとして活用できます。
Kimochiのカウンセラー登録について
公認心理師または臨床心理士の資格をお持ちの方へ。オンラインカウンセリング「Kimochi(キモチ)」では、カウンセラーを募集しています。
自宅からオンラインでカウンセリングを提供できるため、ライフスタイルに合わせた柔軟な働き方が可能です。安定した報酬体系のもと、幅広いクライアントの心をサポートできます。
よくある質問
Q. 心理カウンセラーになるために必ず資格は必要ですか?
法律上は資格なしで「心理カウンセラー」を名乗ることができます。ただし、医療・教育・企業などの現場では資格保有が採用条件になることがほとんどです。クライアントからの信頼を得るためにも、資格取得が強く推奨されます。
Q. 国家資格と民間資格、どちらを取るべきですか?
本格的に心理専門職として働くことを目指すなら、公認心理師(国家資格)や臨床心理士(民間ながら高い信頼性)が最適です。入門的に学びたい場合や、特定の分野に特化したい場合は民間資格を選ぶとよいでしょう。
民間資格を選ぶ際の注意点
民間資格は種類が多く、取得しやすい一方で、資格ごとの実務的な評価には大きな差があります。
一般的な目安としては以下の通りです。
専門職として働くうえで評価されやすい資格
(例:公認心理師・臨床心理士・精神保健福祉士など)
特定分野で活用される資格
(例:産業カウンセラー・キャリア系資格など)
学習・自己理解を目的とした資格
(短期間で取得できるカウンセラー資格など)
特に、短期間・在宅のみで取得できる資格は、実務経験の代わりにはならない点に注意が必要です。
Q. 働きながら取れる資格はありますか?
産業カウンセラー・認定メンタル心理カウンセラー・メンタルケアカウンセラー・メンタルヘルス・マネジメント検定などは、通信講座や在宅受験での取得が可能で、働きながら目指しやすい資格です。
Q. 最短で取れる資格はどれですか?
認定メンタル心理カウンセラーは約2か月、メンタルケアカウンセラーは4回の添削課題をこなすだけで取得できるため、比較的短期間での取得が可能です。
Q. 費用を抑えて取得できる資格はありますか?
心理学検定(7,700〜12,100円)、ケアストレスカウンセラー(10,000円+テキスト代)、チャイルドカウンセラーや認定メンタル心理カウンセラー(受験料5,600円+受講費)などが比較的低コストで取得できます。
まとめ
メンタルヘルス・カウンセリングに関する資格は、国家資格から入門的な民間資格まで多種多様です。「誰を支援したいか」「どんな場所で働きたいか」「どれだけの時間・費用をかけられるか」を整理してから、自分に合った資格を選びましょう。
資格取得はゴールではなく、心のサポートを続けていくためのスタートです。まず一歩を踏み出してみてください。