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仕事のやる気が出ない原因と対処法9選|甘えとの見極め方

「やらなきゃいけないのに、どうしても手が動かない」

「前は当たり前にこなせていたことが、今はできない」

「結局、自分はただ怠けているだけなんじゃないか」

そんなふうに、自分を追い込んでいませんか。

やる気が出ないと、多くの人は真っ先に自分の性格や気持ちの弱さを疑います。

けれど、やる気というのは、気合いを入れれば湧いてくるものではありません。

そしてこの状態の裏側には、休養が必要だという体からのSOSがひそんでいることもあります。

とりわけ気づかれにくいのが、もともと真面目に走り続けてきた人ほど、こうした状態にはまり込みやすい、という点です。

この記事では、次のことをお伝えしていきます。

  • 仕事のやる気が出ない、主な原因
  • 甘えではないケースと、その見極め方
  • 仕事のやる気が出ないときの対処法9選
  • やる気そのものに頼らず動くための工夫
  • つらさが続くときの相談先
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仕事のやる気が出ない、主な原因

ひとくちにやる気が出ないといっても、その中身はいくつかに分かれます。

まずは、自分がどれに近いかを確かめてみてください。

1. 単純に、疲れきっている

もっとも多く、そしてもっとも見落とされやすい原因です。

睡眠不足や働きすぎが続くと、脳は自分を守るために省エネの状態へ切り替わります。

これは「やる気が出ない」のではなく、「動かすための燃料が底をついている」状態です。

このときに必要なのは、気合いではなく、まとまった休みです。

2. 努力が、報われていない

成果を上げても評価につながらず、感謝の言葉もない。

そんな状態が続くと、努力と結果が結びついている感覚が、だんだん薄れていきます。

「どれだけ頑張っても無駄だ」という感覚は、意欲をごっそり奪っていきます。

3. 仕事の中身が、自分に合っていない

これは力量の話ではなく、合う合わないの話です。

苦手な作業が仕事の中心に居座っていると、じわじわと消耗が続きます。

いくら慣れても楽にならない場合は、この可能性を疑ってみてください。

4. 大きな目標を、やり遂げてしまった

大きなプロジェクトが終わった直後、ふっと力が抜けてしまうことがあります。

目標という的を失うと、前へ進むための原動力も止まってしまいます。

これは長くは続かないもので、新しい的が定まれば、たいていまた戻ってきます。

5. この先の見通しが、立たない

この会社で、5年後の自分はどうなっているのか。

その姿が思い描けないと、目の前の業務に意味を感じにくくなります。

6. 仕事の外にある事情が、影響している

家庭の悩み、体調のこと、お金の不安。

原因は仕事の外にあるのに、仕事の場面でその影響が出てしまうケースもあります。

7. 心身の不調が、背景にひそんでいる

ここが、いちばん注意が必要なところです。

意欲がなくなることは、心の不調を知らせる代表的なサインのひとつでもあります。

これについては、次の章でくわしく見ていきます。

甘えではないケース|不調のサインを見極める

「やる気が出ないのは、自分の心が弱いからだ」

そう決めつけてしまう前に、確かめておいてほしいことがあります。

燃え尽き症候群という状態

燃え尽き症候群(バーンアウト)とは、強く長引くストレスによって心身のエネルギーが底をつき、仕事への興味や関心をなくしてしまう状態を指します。

世界保健機関(WHO)は、国際的な疾病分類であるICD-11のなかで、これを「うまく対処されなかった、職場での慢性的なストレスから生じる現象」として位置づけています。

それまで熱心に働いていた人が、ある時期を境に、燃え尽きたように意欲をなくし、体調を崩して休職や離職へと追い込まれてしまう。そうした現象を言い表した言葉です。

そして、ここが大事なところです。

意外に思われるかもしれませんが、この状態は怠け者ではなく、むしろひたむきに仕事へ打ち込む人にこそ起こりやすいとされています。理想が高く、人と深く関わろうとする姿勢が、結果として重い心の負担を抱え込みやすいためです。

言い換えれば、ひたむきに走ってきた人ほど、こうなりやすいということです。

「自分は怠けている」という評価は、事実とは正反対かもしれません。

3つの症状から説明される

この状態は、心理学者クリスティーナ・マスラックが開発した「MBI」という評価尺度で、3つの症状から捉えられます。世界じゅうで広く使われている、代表的なものさしです。

  • 情緒的消耗感:気持ちを込めて仕事に向き合った結果、心のエネルギーを出しきってしまった状態
  • 脱人格化:相手に対して、思いやりのない冷たい対応が増えてしまうこと
  • 個人的達成感の低下:仕事のなかで感じられる有能感や手ごたえが、失われていくこと

なかでも中核にあるのが情緒的消耗感で、「これだけ尽くしたのに報われない」「もう何をしても意味がない」と感じて、意欲がしぼんでいくのが特徴です。

そして、この消耗感や脱人格化があらわれると仕事の質が落ち、そのせいで自信をなくし、手ごたえも感じられなくなる。こうした悪循環が生まれていきます。

意欲がしぼむ、仕事の質が落ちる、自信をなくす、そしてまた意欲がしぼむ。

この輪の中に自分がはまっていないか、いちど振り返ってみてください。

医学的な病名ではない

注意しておきたいのは、バーンアウトそれ自体は、医学的な病名ではないという点です。

ただし、慢性化したストレス状態が、適応障害や自律神経失調症として診断されることはあります。うつ病とは異なる状態とされますが、重くなると長引くうつ状態につながることもあり、油断はできません。

だからこそ、自己判断は禁物です。

見きわめられるのは、あくまで医師だけです。

「甘え」ではないと考えられるサイン

以下のような状態が見られるときは、単なる意欲の問題ではないかもしれません。

  • 休日にしっかり休んでも、疲れがまったく抜けない
  • 以前は楽しかった仕事に、何の感情も湧かなくなった
  • 出勤前になると、頭痛や腹痛、吐き気が出てくる
  • 日曜の夜になると、眠れない日が続く
  • 好きだったことにも、興味が持てなくなった
  • 食欲が落ちる、または過食が止まらない
  • 集中が続かず、前はできていた作業に時間がかかる
  • 「いっそ消えてしまいたい」と、ふと感じてしまう

こうしたサインが2週間より長く続いていたり、ふだんの生活に差し支えていたりするなら、どうか無理をしないでください。

心療内科や精神科といった医療機関を頼ることが、回復へ向かう一歩になります。

病院にかかったからといって、その場で薬が始まるわけではありません。まずは状況を話してみるだけでも構いません。

心と体の限界サインについては、精神的ストレスが限界を超えるサインと解消法でもくわしく紹介しています。

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仕事のやる気が出ないときの対処法9選

やる気が出ない原因は人それぞれなので、効く手立ても変わってきます。

ここでは、原因に合わせた対処と、やる気そのものに頼らない工夫を、あわせて9つ紹介します。

自分に近いものから、ひとつずつ試してみてください。

1. まず、思いきって休む

疲れが原因のときに効くのは、これ一択です。

睡眠時間を何よりも優先して確保し、有給休暇を思いきって使ってみてください。可能なら、業務量そのものの調整を上司に相談してみるのもよい方法です。帰宅した後まで仕事のことを考えてしまう時間を、少しずつ削っていくのも効きます。

燃え尽き症候群からの回復は、休養、カウンセリングや認知行動療法、そして薬物療法という3つの柱で支えられ、なかでも土台になるのが休養だとされています。疲れが原因のときに、無理やり意欲を上げようとする工夫は、ほとんど空回りします。何よりも先に、燃料を補給することが大切です。

2. 「今日できたこと」を、一日ひとつ書き留める

「頑張っても報われない」と感じているときに向いています。

外からの評価に左右されない、自分だけの記録を作ってみてください。「たまったメールを10件返した」「気の重い資料を仕上げた」など、些細なことで構いません。

たとえ誰も見ていなくても、自分だけは見ている。その状態を作っておくと、消耗していくスピードが変わってきます。

3. 業務を書き出して、苦手を切り分ける

「仕事が自分に合っていない気がする」ときに試してほしい方法です。

いま抱えている業務を、いちど紙やメモに全部書き出してみてください。そのうえで、すべてが苦痛なのか、それとも特定の作業だけがつらいのかを見分けます。

一部の作業だけがネックなら、担当の割り振りを調整することで改善する余地があります。逆に、全体がどうしても合わないと感じるなら、異動や転職を考える判断材料になります。

4. 小さな目標を、いくつか置き直す

大きな目標をやり遂げた後の、あの脱力感に効きます。

無理に自分を奮い立たせなくて構いません。そのかわり、手の届く小さな目標を、いくつか置き直してみてください。

大きな目標は、達成した後の落差もそのぶん大きくなります。小刻みなゴールをいくつか用意しておくと、力が抜けきってしまうのを防げます。

5. 「何をできるようになりたいか」で考え直す

この先の見通しが立たず、意味を見失っているときに向いています。

会社の中での出世コースではなく、自分がどんな力を身につけたいかを軸に据え直してみてください。

「この職場で自分はどうなるか」から「自分は何ができるようになりたいか」へ。問いの軸を入れ替えると、おなじ業務でも、そこに感じる意味が変わってくることがあります。

6. 着手のハードルを、これ以上ないほど下げる

やる気の有無にかかわらず、まず動き出すための工夫です。

たとえば「資料を作る」ではなく「まずファイルだけ開く」。「メールを返す」ではなく「とりあえず受信箱をのぞく」。取りかかるまでが最大の難所なので、その一歩をとことん小さくします。

5分で切り上げても構いません。始められたこと自体が、立派な成果です。やる気は、動き出した後からついてくることのほうが多いのです。

7. 前日に「翌日やること1つ」を決めておく

朝の判断を、あらかじめ減らしておく工夫です。

やる気が落ちているとき、「何から手をつけるか」を考えること自体が、大きな負担になります。前日の仕事終わりに、翌日いちばんに取りかかることを1つだけ決めておいてください。

朝いちばんの判断がなくなるだけで、最初の一歩がぐっと軽くなります。

8. 意志ではなく、環境で動きを作る

気持ちの強さに頼るより、環境を変えるほうが確実です。

通知をオフにして、集中しやすい時間帯を確保する。いつもと違う場所へ移って作業してみる。あるいは、タイマーで25分だけと区切って取りかかってみる。

こうした仕掛けを用意しておくと、自分を無理に鼓舞しなくても、自然と手が動き出しやすくなります。

9. 合格ラインを下げて、体調を整える

つらいときに、平常時とおなじ成果を自分に求めないでください。

「今週は6割くらいの稼働で十分」と決めてしまう。これは手抜きではなく、長い戦いを乗りきるための立派な戦略です。

そして、疲れた脳は意欲を生み出せません。睡眠、食事、休息。気合いを入れる前に、まずはこの土台を確保してください。

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それでも状況が変わらないときは、相談を

工夫を重ねても状況が動かないなら、一人で抱え込み続けなくて大丈夫です。

相談先の使い分け

ひとつの窓口で、すべてが片づくわけではありません。悩みの中身に合わせて、使い分けていくことができます。

  • 医療機関:夜眠れない、食事がとれない、気分の落ち込みが2週間より長く抜けないときは、心療内科や精神科へ
  • 職場の産業医や相談窓口:仕事の量や働き方を見直すきっかけになることがあります
  • 労働基準監督署の総合労働相談コーナー:長い残業やハラスメントに関する悩みを、無料で相談できます
  • 自治体の相談窓口:地域の保健センターや、こころの健康相談統一ダイヤルで、お金をかけずに相談できます
  • カウンセリング:気持ちを整理していく場として使えます

どこに相談するか整理したい方は、仕事の悩みを誰に相談する?種類別の相談先と相談できない理由も参考になります。

我慢してはいけない状況

次のような場合は、そもそも耐えるべき話ではありません。

  • 暴言や人格を否定する言葉が、日常的に飛んでくる
  • 明らかに一人分を超えた業務量が、当たり前になっている
  • 長時間の残業が、途切れずに続いている
  • 相談しても、いっこうに何も改善されない

こうした環境で本当に必要なのは、やる気を絞り出すことではなく、環境そのものを変えることです。

職場の人間関係で消耗しているなら、職場の人間関係ストレスで仕事に行きたくないときの解消法もあわせてどうぞ。

疲れきった状態で、大きな決断をしない

「もう辞めるしかない」と思い詰めているとき、それが本当の気持ちなのか、それとも疲れが言わせているだけなのか、見分けが難しくなります。

急ぎでないのなら、まずしっかり休んで、それから決めてください。

眠れないほど不安が強いときは、仕事の不安とストレスで眠れないときの原因と解消法も読んでみてください。

なぜ、人に話すと整理が進むのか

「話したところで、やる気なんて戻らないのでは」

そう感じる方もいるかもしれません。

けれど、この状態には、人に話すことが効いてくる理由があります。

「甘えかどうか」は、自分では判断できない

自分の状態を、自分ひとりでフェアに点数づけするのは無理があります。

ジャッジする側とされる側が、おなじ自分だからです。

「これくらい当たり前だ」と信じ込んでいる自分のものさしが、実はとうに限界を超えている、ということも起こります。

原因は、言葉にすると分かれてくる

自分の頭の中だけであれこれ考えていると、『やる気が出ない』というひとつの大きなかたまりのまま、ほどけずに止まってしまいます。

ところが、話しながら整理していくうちに、それが疲労なのか、環境なのか、適性のずれなのかが、少しずつ分かれてきます。

原因が分かれてくると、打つべき手の方向も自然と定まっていきます。

責められない場所が、必要になる

長いあいだ自分を責め続けてきた人にとって、咎められない場所はとても貴重です。

「怠けているだけかもしれませんが」といった前置きも、そこでは必要ありません。

心の専門職の中でも、公認心理師は日本で唯一の心理職の国家資格です。

法律にもとづく守秘義務が課されているため、相談した内容が職場に伝わることは、制度として防がれています。

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仕事や家事の合間でも予約しやすく、声を出して話すのが難しいときはチャットでの相談も可能です。

体調に影響が出ているときは、医療機関への相談を先に考えてください。

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よくある質問(FAQ)

Q1. 仕事のやる気が出ないのは、甘えでしょうか?

そうとは限りません。

意欲が落ちることは、心身の不調のサインとしてあらわれる場合があります。

とくに燃え尽き症候群は、怠け者ではなく、むしろひたむきに仕事へ打ち込む人にこそ起こりやすいとされています。

「自分は怠けている」という評価のほうが、事実と食い違っているかもしれません。

Q2. 燃え尽き症候群とは、どういう状態ですか?

強く長引くストレスによって心身のエネルギーが底をつき、仕事に対する興味や関心が持てなくなってしまう状態です。

世界保健機関(WHO)は、これを「うまく対処されなかった、職場での慢性的なストレスから生じる現象」と位置づけています。

情緒的消耗感、脱人格化、個人的達成感の低下という3つの症状から捉えられます。

Q3. 燃え尽き症候群は、病気ですか?

医学的な病名ではありません。

ただし、慢性化したストレス状態が、適応障害や自律神経失調症として診断されることはあります。

重くなると長引くうつ状態につながることもあるため、油断はできません。

見きわめられるのは医師だけなので、気になる症状があるときは医療機関に相談してください。

Q4. ただ疲れているだけなのか、どう見分ければいいですか?

休日に休んでも疲れが抜けない、以前は楽しかった仕事に何も感じない、出勤前に体調が悪くなる、好きだったことにも興味が湧かない。

こうした状態が2週間以上続いているときは、単なる疲れとは切り分けて考えたほうがよいでしょう。

我慢せず、医療機関に相談してみてください。

Q5. やる気を出す方法はありますか?

やる気は、動き出した後からついてくることのほうが多いものです。

たとえば『資料を作る』を『ファイルをまず開く』に置き換えるように、取りかかりのハードルをぎりぎりまで下げてみてください。

さらに、前日のうちに翌日やることを1つだけ決めておくと、朝の判断がなくなり、最初の一歩が楽になります。

Q6. カウンセリングで、やる気は戻りますか?

やる気そのものを、直接戻す場所ではありません。

ただ、「これは疲労なのか、環境なのか、適性なのか」を言葉にして切り分けていくことはできます。

自分の状態を自分だけで公平に採点するのは難しいため、外からの視点が、判断の助けになります。

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まとめ

仕事のやる気が出ないのは、あなたが怠け者だからとは限りません。

背景にあるのは、疲れ、報われなさ、向き不向きのずれ、目標をやり終えたこと、先の見えなさ、仕事の外の事情、そして心身の不調です。

とりわけ燃え尽き症候群は、仕事に一生懸命な人ほど陥りやすいとされています。

「自分は怠けている」という評価は、事実と正反対かもしれません。

休日に休んでも疲れが抜けない、以前は楽しかった仕事に何も感じない、出勤前に体調が悪くなる。

こうした状態が2週間以上続いているなら、我慢せず医療機関に相談してください。

そのうえで、やる気そのものに頼らない仕組みを作ってみてください。

取りかかりのハードルをとことん下げ、前日のうちに翌日の1つを決めておき、環境の力で動きを生み出す。

やる気が湧いてから動くのではなく、動いてみたからこそ、後からやる気がついてくる。

この順番を覚えておくと、最初の一歩がずいぶん軽くなります。

ただし、心身が疲れきっているときに要るのは、工夫ではなく休養のほうです。

まずは燃料を戻してから、動き出してください。

自分を責めるための時間を、これ以上は増やさないであげてください。

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