「朝、目が覚めた瞬間から気持ちが重い」
「日曜の夜になると、みぞおちのあたりが締めつけられる」
「辞めたほうがいいのか、耐えるべきなのか、自分でも分からない」
そんな状態を抱えたまま、毎日職場に向かっていませんか。
仕事がつらいと感じてしまうのは、あなたが甘えているせいではありません。
そして、何より苦しいのは「そもそも何がつらいのか、自分でも言葉にできない」という状態です。
原因がはっきりしないと、手の打ちようがありません。
だからこそ、耐えるか辞めるかの二択しかないように見えてしまうのです。
この記事では、次のことをお伝えしていきます。
- 仕事がつらいと感じる、主な原因の見分け方
- 見逃してはいけない、危険なサイン
- 今すぐできる対処法
- 環境を変えるという選択肢と、その進め方
仕事がつらいのは、あなただけではありません
「周囲はみんな平気で働いているのに、自分だけがこんなにしんどい」
そう感じている方に、先に知っておいてほしい数字があります。
厚生労働省が公表した「令和5年 労働安全衛生調査(実態調査)」の個人調査によると、いまの仕事や職業生活について、強い不安や悩み、ストレスの種があると答えた労働者は、82.7%にのぼりました。
つまり、8割を超える人が、あなたとおなじような重さを抱えているということです。
これは「他の人も我慢しているのだから、あなたも耐えるべきだ」と言いたいのではありません。
むしろ反対で、あなたのつらさが、個人の弱さから来ているわけではない可能性が高い、という意味です。
仕事がつらい主な原因
つらさに向き合うには、まずその原因を分けて捉えることが欠かせません。
なぜなら、原因ごとに、効く手立てがまったく変わってくるからです。
先ほどの調査でも、強い不安やストレスの中身としては、仕事の失敗や責任の発生などが39.7%でもっとも多く、続いて仕事の量が39.4%、セクハラやパワハラを含めた対人関係の悩みが29.6%、そして仕事の質が挙がっています。
主なものを、順番に見ていきましょう。
1. 仕事の量が、多すぎる
抱える業務が多いと、常に時間に追われながら進めることになり、残業も積み上がっていきます。
帰宅が遅くなって睡眠や休息を十分に取れなくなると、疲れがどんどんたまっていきます。
過剰な業務量は、心も体もすり減らしていきます。
このタイプの見分け方は、休むと一時的に回復する点です。
連休明けに少し楽になるなら、量が問題である可能性があります。
ただし、量そのものが変わらなければ、また元の場所へ戻ってしまいます。
2. 仕事の質や責任が、重くのしかかっている
精神的な負担が大きい業務や、苦手な業務、望んでいない業務を任されることも、大きなストレスになります。
とくに、強い集中を要する作業や、高度な技術が求められる仕事は、質の面での負担が重くなりがちです。
失敗が許されない業務、経験の浅い分野、責任だけがずっしりのしかかる立場。
このタイプは、休んでも不安がやわらがないのが見分けるポイントです。
日曜の夜に胸がざわつくのは、たいていこちらです。
3. 人間関係が、しんどい
職場の人間関係は、ストレスの原因になりやすく、パワハラやセクハラを含めて悩みを抱える人は少なくありません。
上司や同僚とのあいだにわだかまりがあると、顔を合わせるだけでも気が重くなります。
このタイプは、特定の人がいるかいないかで、体感がまるで変わるのが見分けるポイントです。
その相手が休みの日は、なぜか少し呼吸がしやすくなる。
思い当たるなら、職場の人間関係ストレスで仕事に行きたくないときの解消法も参考になります。
4. 仕事の中身が、自分に合っていない
これは力の有無ではなく、合うか合わないかの問題です。
- 人と話し続ける仕事で、消耗してしまう
- 細かい確認作業が、極端に苦痛
- 変化のない業務が、どうしても耐えられない
このタイプは、どれだけ慣れても楽になっていかないのが見分けるポイントです。
3年ほど続けても消耗が減らないなら、向いていない可能性を考える手がかりになります。
5. この先が、見えない
給料が上がらない、キャリアの先行きが描けない、会社そのものの将来が不安。
日々の業務そのものより、こうした見通しのなさのほうが重い、という人もいます。
6. ただ、疲れきっている
意外と見過ごされますが、これも無視できない要因です。
睡眠が足りない日が続くと、頭は勝手に悪いほうへ悪いほうへと考えがちになります。
「自分にはこの仕事が向いていない」と思えるとき、その感覚の一部は、ただの疲れが生み出しているのかもしれません。
原因を見分けるための、かんたんな問い
自分がどれに近いか、次の問いで確かめてみてください。
- 連休明けに、少し楽になる → はい なら、量や疲労の可能性
- 特定の人がいない日は、楽になる → はい なら、人間関係の可能性
- 休日になっても、不安が消えない → はい なら、質や責任の可能性
- 慣れても、消耗が減らない → はい なら、適性の可能性
いくつも重なって当てはまることもあります。
ここで肝心なのは、「なにもかもつらい」という漠然とした感覚を、少しずつほどいていくことです。
仕事がつらいときに見逃せない、危険な心のサインの見分け方
仕事のつらさには、しばらく様子を見ていい範囲と、そうではない範囲があります。
その境目を見分けるために、次のサインを確かめてみてください。
すぐに動いてほしいサイン
- 出勤前になると、頭痛や腹痛、吐き気が出てくる
- 日曜の夜になると、眠れない日が続く
- 通勤の途中で、ふいに涙がこぼれる
- 休日になっても気分が晴れず、何をしても楽しめない
- 食欲が落ちる、または過食が止まらない
- ミスが増え、前はできていた作業に時間がかかる
- 「消えてしまいたい」という考えが、ふと頭をよぎる
これらは弱さのあらわれではなく、心と体が限界の手前まで来ているサインです。
こうした状態が2週間より長く続いていたり、ふだんの生活に差し支えていたりするなら、どうか我慢しないでください。
心療内科や精神科といった医療機関を頼ることが、回復へ向かう一歩になります。
病院にかかったからといって、その場ですぐ薬が始まるわけではありません。まずは状況を話してみるだけでも構いません。
心と体の限界サインについては、精神的ストレスが限界を超えるサインと解消法でもくわしく紹介しています。
そもそも我慢してはいけない状況
次のような場合は、耐えるかどうかという次元の話ではありません。
- 暴言や人格を否定する言葉が、日常的に飛んでくる
- 明らかに一人分を超えた業務量が、当たり前になっている
- 長時間の残業が、途切れずに続いている
- 相談しても、いっこうに改善されない
こうした状況で本当に要るのは、あなたが強くなることではなく、置かれた環境のほうを変えることです。
労働の条件やハラスメントがからむ問題なら、労働基準監督署が設けている総合労働相談コーナーを利用できます。全国どの窓口でも無料で使え、労働にまつわる相談を幅広く受け付けています。
判断力が落ちているときは、大きな決断をしない
心身が消耗しきっているときの判断は、ふだんよりも極端なほうへ振れやすくなります。
「今すぐ辞めるしかない」と思い詰めているとき、それが本心なのか、それとも疲れがそう言わせているのか、見分けが難しくなります。
急ぎでないなら、まずしっかり休んでから決めてください。
今すぐできる対処法
環境をすぐには変えられなくても、手の届く範囲でできることはあります。
全部を試す必要はありません。取りかかれそうなものから、ひとつずつ試してみてください。
1. 睡眠を、何よりも優先する
根性を語る前に、まずは睡眠です。
疲れた脳は、後ろ向きな結論に飛びつきやすくなります。
寝る1時間ほど前にはスマホやパソコンの画面を手放す、毎朝おなじ時刻に起きる、朝いちばんに数分だけ日の光を浴びる。
もっとも地味ですが、もっとも確実に効いてくる方法です。
2. つらさを、紙に書き出して分ける
「仕事がつらい」というひと言のままでは、手の打ちようがありません。
何が、いつ、どのくらいの頻度で起きているのか。書き出してみてください。
いざ並べてみると、実は特定の業務や、特定の人物につらさが集中していることがあります。
「全部がつらいわけではない」と気づけると、対処すべき的が絞れてきます。
3. 業務量を、目に見える形にして相談する
「忙しいんです」だけでは、なかなか伝わりません。
いま抱えている案件と、それぞれにかかっている時間を一覧にして、見せてみてください。
数字として示されると、想像との差に相手のほうが驚くこともあります。
4. 考える範囲を、「今日一日」に狭める
「この先ずっと、この毎日が続くのだろうか」と想像し始めると、気持ちは一気に沈み込みます。
考える範囲を、今日一日ぶんにぎゅっと絞ってみてください。
一日ずつ区切るのは、逃げではなく、心を守るためのれっきとした技術です。
5. 合格ラインを、思いきって下げる
つらいときに、平常時とおなじ成果を自分に求めないでください。
「今週は6割くらいの稼働で十分」と決めてしまう。
これは手抜きではなく、長い戦いを乗りきるための立派な戦略です。
6. 仕事から離れる時間を、確保する
帰宅した後も頭の中で仕事を反すうし続けていると、心を休める時間がまるごと失われてしまいます。
短くて構いません。仕事から意識を切り離す時間を、あえて作ってください。
7. 一人で抱え込まない
同僚、上司、家族、あるいは社外の人。
たった一人にでも状況を打ち明けているかどうかで、消耗するスピードは変わってきます。
眠れない日が続いているなら、仕事の不安とストレスで眠れないときの原因と解消法も参考になります。
環境を変えるという選択肢
工夫を重ねても状況が動かないのなら、環境それ自体を見直す時期に来ているのかもしれません。
ただし、動くにも進め方の順序があります。
いきなり退職を選ばなくていい
「辞める」か「耐える」かの、二つに一つではありません。
その両極のあいだには、いくつもの中間段階が用意されています。
- 業務量や内容の調整を相談する:上司や人事に、具体的な形で伝える
- 部署異動を希望する:人間関係が原因なら、有効なことがあります
- 働き方を変える:時短、在宅、担当範囲の見直しなど
- 休職する:心身に不調があるときの選択肢です
- 転職する:環境を根本から入れ替える方法
- 退職する:次を決めずに、まず離れる選択
上にいくほど負荷が小さく、下にいくほど大きな決断になります。
はじめから下の段階へ飛ぶ必要はありません。
休職という選択肢を、知っておく
心身に不調が出ているとき、休職は退職の手前にある選択肢になります。
雇用関係を保ったまま、回復のための時間を確保するための仕組みです。
一定の条件を満たせば、加入先の健康保険から傷病手当金が支給されることもあります。
この制度の中身は、会社の就業規則や、入っている健康保険の種類によって変わってきます。勤務先や健康保険組合に、いちど確かめてみてください。
転職を考えるときの、注意点
消耗しきったまま転職活動に入ると、選ぶ基準が極端なほうへ偏りやすくなります。
「今より悪くなければ、どこでもいい」
そんな基準で選んでしまうと、結局おなじ問題を繰り返すことになりかねません。
だからこそ、まず『何が自分をつらくさせていたのか』を言葉にしてから動くほうが、失敗しにくくなります。
退職を決める前に、確認しておきたいこと
- 傷病手当金の、受給条件
- 失業給付の、扱い
- 有給休暇の、残り日数
- 退職日の決め方に、注意点がないか
お金や手続きにまつわる条件は、その人の状況によって変わってきます。
お近くのハローワークや、加入している健康保険組合に確かめてください。
一人で抱えないための、相談先
ひとつの窓口で、すべてが片づくわけではありません。
悩みの中身によって、使い分けていくことができます。
労働条件やハラスメントのことは、労働基準監督署へ
長時間労働、賃金の未払い、ハラスメントなど。
労働基準監督署の総合労働相談コーナーが、こうした悩みを無料で受け付けています。
職場の産業医・相談窓口
仕事の量や働き方を、見直すきっかけになることがあります。
一定の規模を超える事業所には、産業医が配置されています。
医療機関
夜眠れない、食事がとれない、気分の落ち込みが2週間以上抜けない。
そうしたサインが出ているときは、心療内科や精神科を頼ってください。
診断書が必要なときも、医療機関が窓口になります。
自治体の相談窓口
お住まいの地域にある保健センター、あるいはこころの健康相談統一ダイヤルでも、無料で相談を受け付けています。
カウンセリング
「辞めるべきか、続けるべきか、自分でも決めきれない」
そこは、制度の窓口だけではカバーしきれない部分です。
診断や治療こそしませんが、話すことで気持ちをほどき、整理していく場になります。
どこに相談するか整理したい方は、仕事の悩みを誰に相談する?種類別の相談先と相談できない理由も参考になります。
なぜ、人に話すと整理が進むのか
「話したところで、状況は変わらない」
そう感じる気持ちは、よく分かります。
けれど、話すことには、状況を変える以外の働きがあります。
「何がつらいのか」が、言葉になる
自分の頭の中だけで抱えていると、つらさは形のないかたまりのままです。
話しながらほどいていくと、それが量なのか、人なのか、適性なのかが、少しずつ分かれてきます。
原因が分かれてくると、打つべき手の向きも定まっていきます。
自分の状態は、自分では点検しにくい
「これくらいは当たり前だ」
そう信じ込んでいる基準が、実はとうに限界を超えている、ということがあります。
ジャッジする側とされる側がおなじ自分では、公平な見立ては下せません。
職場でも家庭でも言えないことを、話せる
同僚に弱音を見せれば、評価に響くかもしれない。
家族に打ち明ければ、余計な心配をかけてしまう。
利害のない第三者だからこそ、気兼ねなく本音を出すことができます。
心の専門職の中でも、公認心理師は日本で唯一の心理職の国家資格です。
法律にもとづく守秘義務が課されているため、相談した内容が職場に伝わることは、制度として防がれています。
オンラインで「人」に相談できるKimochiという選択肢
「辞めるかどうか迷っているのに、打ち明けられる相手が身近にいない」
そんなときに頼りやすいのが、オンラインで相談できるKimochiです。
オンラインカウンセリング「Kimochi」の特徴
- ①国家資格を持つカウンセラーのみが在籍
Kimochiには、国家資格『公認心理師』を持つカウンセラーのみが在籍しています。資格や経験を持つ専門家が、気分の重さの背景にある気持ちを丁寧に整理する手伝いをします。
- ②完全オンラインで匿名・顔出しなしOK
自宅にいながらビデオ・チャットで相談できるため、人目を気にせず、安心して利用できます。
- ③ライフスタイルに合わせて選べる3つのプラン
月1回30分の利用から、月4回60分でしっかり相談できるプランまで、自分のペースに合った形を選べます。初月割引もあるため、まずは試してみたいという方にもハードルが低くなっています。
- ④24時間予約可能・ビデオもチャットも対応
仕事や家事の合間でも予約しやすく、声を出して話すのが難しいときはチャットでの相談も可能です。
「日曜の夜がしんどい」その気持ちを、まさにその晩のうちに誰かへ言葉にできる場所があることは、それだけで心強い支えになります。
もし体調にはっきり影響が出ているときは、医療機関への相談を先に考えてください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 仕事がつらいのは、私が甘えているからでしょうか?
いいえ、そうとは限りません。
厚生労働省の令和5年の調査では、仕事や職業生活のなかで強い不安や悩み、ストレスを感じていると答えた労働者は、82.7%にのぼりました。
8割を超える人が同じように感じているという事実は、これが個人の弱さの問題ではない可能性が高いことを示しています。
Q2. 何がつらいのか、自分でもよく分かりません。
まずは、原因を分けてみてください。
連休明けに少し楽になるなら量や疲労、特定の人がいない日は楽なら人間関係、休日も不安が消えないなら質や責任、慣れても消耗が減らないなら適性の問題である可能性があります。
「全部がつらい」を切り分けることが、対処の第一歩になります。
Q3. どんなサインが出たら、危険ですか?
出勤前に頭痛や腹痛が出る、日曜の夜から眠れない、通勤中に涙がこぼれる、休日も気分が晴れない、ミスが増える。
こうした状態が2週間以上続いているときは、我慢せず医療機関に相談してください。
また、暴言や過剰な業務量が当たり前になっている場合は、そもそも耐える話ではありません。
Q4. 辞めるべきか、続けるべきか迷っています。
まず、疲れきった状態で大きな決断をしないでください。
判断力が落ちているときは、選択が極端なほうへ傾きます。
そして、「辞めるか我慢するか」の二択でもありません。
業務の調整、部署異動、働き方の変更、休職といった、段階的な選択肢があります。
Q5. 我慢してはいけないのは、どんな場合ですか?
暴言や人格否定が日常的にある、明らかに一人分を超えた業務量が当たり前になっている、長時間の残業が続いている、相談しても改善されない。
こうしたときに求められるのは、あなたが我慢強くなることではなく、環境そのものを変えることです。
労働基準監督署の総合労働相談コーナーに、無料で相談できます。
Q6. カウンセリングで、辞めるべきか教えてもらえますか?
いいえ、答えそのものを出す場所ではありません。
ただ、「何がつらいのか」を言葉にして整理していくことはできます。
量なのか、人なのか、適性なのか。
原因が分かれてくると、次に取るべき行動も見えてきます。
まとめ
仕事がつらいと感じてしまうのは、あなたが甘えているせいではありません。
調査でも、8割を超える労働者が、強い不安やストレスを抱えていると答えています。
ここで肝心なのは、「なにもかもつらい」という漠然とした感覚を、少しずつほどいていくことです。
それは業務量なのか、質や責任の重さなのか、人間関係なのか、向き不向きなのか、あるいは単なる疲れなのか。
連休が明けると軽くなるか、あの人がいない日はほっとするか、休みでも不安が居座るか、慣れても消耗が続くか。
この4つを問うだけでも、原因のおおよその見当がついてきます。
そこから先は、まず睡眠を守り、つらさを紙に書き出し、抱えている業務量を目に見える形にして相談してみる。
考える範囲を今日いちにちぶんに狭め、合格ラインを思いきって下げる。
環境に手をつけるときも、いきなり退職に飛びつかなくて構いません。
業務の調整、部署異動、働き方の見直し、休職と、段階を踏むことができます。
ただし、出勤前の不調や眠れない夜が2週間以上続くなら、こらえずに医療機関へ。
暴言や度を超えた業務量があるなら、労働基準監督署へ相談を。
そして、心身が消耗しきったままで、大きな決断を下さないでください。
その重さを、一人だけで抱え込まないであげてください。